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お気楽金融雇われ人の見聞録

1票の格差是正をほったらかしにしたツケ

参議院議員選挙、面白かったですねぇ。

選挙区の1人区は自民が圧勝、2人区は民主と自民の引き分け、3人区以上は民主と自民にみんなの党(か公明党)が加わったというのが大まかな構図。一方で、比例区の方は民主が16議席で自民の12議席を上回り、みんなの党は7議席公明党が6議席共産党が3議席を取ったという構図。極めて乱暴にまとめれば、みんなの党大躍進、自民党まぁまぁ、その他は惨敗、さようならってところ。

与党民主党はこれから敗因の総括などがなされるのだろうけど、消費税増税菅総理の発言のブレは一つの要因だけど、本質的な要因ではないと思う。

というのは、比例区では民主党の方が自民党より得票を集めているわけで、自民党に対する支持が民主党を上回ったというわけでは必ずしもない。菅さんが消費税増税をぶち上げたことや発言のブレが諸悪の根源みたいに言われているけど、それで民主党の支持が低下したのであれば、比例区の得票も自民党が上回っておかしくないはず。

でもそうなっていないということは、有権者全体で見た場合の民主党支持は、まだ結構厚く残っているということ。議席数こそ大負けしたとしか言いようのない結果ではあるけれど、結局、地方の1人区で総崩れになったのが原因。

これは突き詰めれば、dankogai氏が「民主党が負けた本当の理由」で書かれている通り、また私が「残念な東京高裁の判断」で書いたとおり、1票の格差是正をほったらかしにしたツケが回ってきたということ。

自民党は、半ば意図的に1票の格差をほったらかしにして、地方を厚く遇してきたと私は理解している(これは必ずしも悪いことじゃない)。

でも都市系住民は、長年、そういう構図を見てきて不満を持っている。無党派層が全般的に自民党に批判的なのは、意識的・無意識的問わず、無党派層の多くを構成する都市系住民が、1票の格差放置による不公平感を抱えているからだと思うんだよね。

民主党は、当初都市系住民の取り込みを目論んでいたのに、小沢さんの旧自民党的な手法に乗っかって政権を取ってしまったものだから、かえって自家撞着に陥った……、というのが今回の構図。1票の格差を完全な平等とまではいかないまでも、本気で是正していれば、ここまでの大敗はなかったんじゃないかな?

私自身は、「参議院選挙、私の投票先はA党でした by 日経ビジネスオンライン」の通り、民主党シンパでもなんでもないけれど、今回の結果を受けて、民主党が1票の格差是正に本気で取組んでくれるのであれば、その点に関しては民主党を支持しますよ。

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