聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

明らかに違憲でしょ

都市住民の政治的発言力が地方住民の5分の1で良いという判断がどこから出てくるんでしょう?

1票の格差」5・13倍は合憲…最高裁大法廷
大法廷は定数配分を合憲と判断、請求を退けた1審・東京高裁判決を支持し、有権者側の上告を棄却した。また、判決の多数意見で「国会は選挙制度の枠組みの見直しも含め、格差を縮小する検討をすべきだ」と異例の注文を付けた。……
合憲とした多数意見は、5・13倍の格差について、〈1〉01年選当時の5・06倍と大きく違わない〈2〉04年1月の大法廷判決から選挙までは約半年しかなく、是正措置をとる期間が十分なかった〈3〉その後、検討を続け、今年6月に最大格差を4・84倍に縮小する定数是正を行った――などの事情を考慮し、「定数配分規定が憲法に違反するまでには至っていない」と結論づけた。(YOMIURI ON-LINE 2006年10月4日)
都道府県単位の選挙区選挙を残している限り、定数配分の是正みたいな小手先の修正では追いつかないことは明らかなわけですから、現在の選挙制度自体が違憲だということです。

まぁ、そもそもの話として参議院自体不要という話もありますが(笑)、衆議院に対するけん制機能は必要ですから、なくしてしまうことは不味いという点で参議院の存在意義は失われてはいません。二院制の是非とは関係ない邪道な議論にはなりますが、民主党が「健全な野党」に脱皮できる期待値が限りなくゼロになってしまった現状では、議員による政策議論の中でけん制が働く期待値も限りなくゼロになってしまいましたから、制度としてけん制が働くようにしておくために参議院の必要性がかえって高まったというのは皮肉というか何というか。

参議院の選挙区選挙は地域代表の意味合いがあるといわれていますが、地域代表は衆議院議員だけで十分ですから、もう参議院比例代表制一本にしてしまったら良いんじゃないですかね。この辺は裁判所が口を出す分野じゃなくなってしまいますが、そういう制度変更を促す意味でも、ビシッと違憲判決出して欲しかったところです。