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北朝鮮の核実験宣言と韓国外相の国連事務総長就任

北の「核実験実施」宣言、日本政府は外交努力に全力
政府は3日、北朝鮮の核実験実施の可能性について「切迫した状況を示す具体的情報はない」(塩崎官房長官)と分析する一方で、情報収集の強化に努めている。
また、関係国と連携し、北朝鮮に核実験を断念させるための外交努力にも全力を挙げる方針だ。
北朝鮮情勢については、外務省や防衛庁を中心に分析を進めている。北朝鮮の声明の真意について、政府内では「米国との直接交渉を狙った脅し」との見方が大勢だ。ただ、「北朝鮮に厳しい姿勢を示す安倍政権や、安倍首相の中韓歴訪をけん制する狙いもあるのではないか」(外務省幹部)との声も出ている。(YOMIURI ON-LINE 2006年10月3日)

核やミサイルに関するサプライズを演出してアメリカとの直接交渉を狙うというのは、北朝鮮の常套手段、というより唯一残されたブラフなわけですが、どのくらい効き目があるんでしょうね?北朝鮮がこのタイミングで核実験の実施を宣言したのは、アメリカによる金融制裁の効果が、じわじわと出てきたということなのでしょうが、最後に背中を押したのは、昨日流れた韓国の潘外相が国連事務総長就任が確実になったというニュースじゃなかろうかと思います。

北朝鮮が、アメリカと日本の圧力をのらりくらりと交わし続けてこられたのは、宗主国の中国様と実質友好国の韓国が陰に日向にバックアップしてきたからなわけです。でも、先日北朝鮮がぶっ放したミサイルの後始末で下手を打って面子を丸つぶれにされていますから、おとなしくしてそうな気がします。また、韓国は国連事務総長を出しておきながら、安保理の非難決議をまるで無視した行動は取れないでしょう。そういう意味で北朝鮮はようやく孤立無援に近い状態になってきました。いい感じです。

日本が韓国の潘外相の国連事務総長就任を後押ししたのが、こういう状況を見据えてのことだったとしたら、なかなかいい手を打ったと評価できますね。