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お気楽金融雇われ人の見聞録

司法試験合格者数に関する日弁連の提言は腰が引けているなぁ

<司法試験>日弁連、合格者削減を提言
司法試験の年間合格者を3000人程度に増やすとした02年の政府方針に対し、日本弁護士連合会は30日、現状の2100~2200人から削減するよう求める提言を公表した。09年に現状維持を求める提言を公表したが、削減を求めたのは初めて。具体的な削減数については「会内で意見が分かれた」として示さなかった。提言で日弁連は法曹人口の増員策で「弁護士だけが急増した結果、現実の需要とのバランスを欠き、新人弁護士の経験・能力の獲得に影響を及ぼしている」などと指摘している。
(2011年3月30日 毎日新聞

日弁連が司法試験合格者の削減を提言しているそうな。弁護士ばかり増えて飽和してしまったからだとか。確かにそういう面が無いとは言えないんだけど、削減を言う前に言うことがあるんじゃないの。

日弁連自身が提言の中で「法律扶助制度の抜本的拡充、司法過疎解消のための裁判所支部の充実、裁判官・検察官の大幅増員、民事訴訟行政訴訟制度の抜本的改革と実体法の整備等、市民のための司法の基盤整備は不十分」と指摘している通り、裁判官、検察官の増員は予定通り進んでいない。

もちろん、現在の財政状況を考えれば、公務員である裁判官、検察官をどんどん増やせるような状況に無いのは確か。でも司法制度改革を検討した時に法曹三者がそれぞれ増員を進めるよう申し合わせたんじゃなかったっけ?

であれば、まずは予定通り増員するよう最高裁判所法務省に提言するのが先なんじゃないの?

にもかかわらず、解決策が合格者削減に飛んでしまうのは、どのような事情によるのだろう。大人の事情?

この件に関する日弁連の提言は、いつもなんだか腰が引けている印象があって、訴えかけるものが感じられない。おためごかしに「法曹の質」の話を持ち出されてもなぁ。

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