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お気楽金融雇われ人の見聞録

三井物産によるDPF試験データ捏造

三井物産が、子会社に製造させ、自らが販売していたディーゼルエンジン排気ガス浄化装置(DPF)の試験データを捏造し、充分な性能があるかのように見せかけていたというもの。

同じ11月23日には、三菱地所とその子会社である三菱地所住宅販売、それに三菱マテリアルの3社が大阪アメニティパーク(OAP)内のマンションを、土壌汚染の事実を隠したまま販売し、宅建業法違反の容疑で家宅捜査を受けたというニュースが流れたばかり。

今年はこのほかにも、関西電力で火力発電所の検査データの捏造発覚や西武鉄道などの株主構成の虚偽報告、三菱自動車三菱ふそうリコール隠しUFJ銀行の検査忌避など、いわゆる大企業・名門企業といわれる企業の不祥事が頻発しており、このブログでも取り上げた(「関西電力は大丈夫?」「西武鉄道上場廃止」)。

個別に見ていけば原因はさまざまなのだろうが、共通しているのは発覚した後の初動段階で組織的な関与を認めず、現場の暴走にしたがる点である。今回の事件では、三井物産の槍田社長は早速記者会見を開き陳謝したが、組織的関与は認めていない

このように、組織的関与を認めないまま社長が謝れば、とりあえず無罪放免だろうと言わんばかりの対応をとる神経というのは何だろうか?多くのケースでは、その後調査が進むにつれて、組織的関与があったことが判明し、さらにまずい立場に追い込まれるというのに隠し通せると思っているのだろうか?だとすれば、今の時代にあまりに浮世離れし過ぎだろう。

確かに、外野の人間からは、組織ぐるみだったのか、本当に現場の暴走だったのか知る術はないが、仮に現場の暴走だったとしても、暴走を未然に防いだり、初期の段階で発見・是正する仕組みが自分の会社には存在しないということに他ならないわけだから、組織のトップとしては他人事みたいなことは言っていられないと思うのだが…。

[関連投稿]
三井物産に家宅捜索(2004年12月27日)