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お気楽金融雇われ人の見聞録

西武鉄道上場廃止

西武鉄道株式の上場廃止が正式に決まった。大株主であるコクドと堤元会長の持株比率の虚偽報告が発覚してから、ほぼ1ヶ月で西武鉄道東証から追放される形となった。

今回のコクド、西武鉄道がやったことは、開示される公開情報だけが頼りとなる株式市場の根っこの部分を揺るがす行為であり、上場廃止の決定もやむをえないだろうなとは思う。西武鉄道ジャスダックへの上場を目指すということらしいが、このような企業が思惑通り再上場を果たすことが可能か疑問ではある。

しかし、びっくりしたのは「大株主10社と取締役などの合計保有比率が80%超えた場合、一定期間内に同水準以下にしなければ上場廃止となる」という東証一部のルール。市場に流通させる株式は、発行済み株式の20%だけで良いんだろうか?5分の1の株式を流通させておけば良いというのは、株式を上場させる意味があるのだろうか。

西武鉄道の件を受けて、金融庁が上場企業の情報開示制度を見直す方向を打ち出したが、東証の大株主の保有比率に関するルールも見直しの必要がある。情報開示の強化だけでは、今回の西武鉄道のように、市場に流通する株式を少なくして流動性を低下させ株価にプレミアをつけようとする行為を根絶することは難しいだろう。


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