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お気楽金融雇われ人の見聞録

国籍不明の潜水艦

昨日から大騒ぎとなっている国籍不明の潜水艦。公式には未だ国籍の特定には到っていないということになっているが、ほぼ確実に中国の漢級原子力潜水艦だろう。

中国としては確信犯なんだろうが、よくもまぁこの微妙な時期に領海侵犯などという大胆な行為に及んだものだ。海上自衛隊の対潜能力を試すつもりだったのか、もっと直裁に日本への示威行動を目的としていたのだろうが、肝心の潜水艦が捕捉されてしまっては元も子も無い。逆に中国海軍の潜水艦運用能力が低いことが世界中に晒されてしまい、頭を抱えているはずだ。

中国は、あくまで知らぬ存ぜぬで通すつもりのようだが、すでに一週間も前に台湾当局から中国の潜水艦が日本に向かっていることを知らされていたようだから、海上自衛隊も官邸も気づいていながら泳がせていた(様子を見ていた)と考えるのが妥当と思う。

潜水艦が領海内に入って時点で即座に海上警備行動に移行し、潜水艦を浮上させ国籍確認できなかったために、中国のおとぼけを許してしまった点は残念で、今後の課題である。しかし、その後2日間に及ぶ海上自衛隊の密着マークを受け、中国もさすがにとぼけきれないと見たのか、曽国家副主席自らが「関心を持って調査する」と言明したところを見ると、彼らもかなり追い込まれているようだ。

まぁ、今回の一件を機会に、両国間で懸案となっている日中中間線や対中国ODAの削減の問題が日本側に有利な方向に持っていくことができれば、結果オーライでしょう。

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