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お気楽金融雇われ人の見聞録

株主優待を義捐金に変更するサービスが登場

株主優待を義援金に換算 三菱UFJ信託、月内にも開始
三菱UFJ信託銀行は18日、株主優待東日本大震災義援金に換金して寄付したい企業への支援サービスを4月中にも始める方針を明らかにした。優待を寄付に変えてほしいという声が3月の株主総会で株主から相次いだため、企業の実務を代行する集計作業を行う。
始めるのは「義援金等選択型優待サービス」(仮称)で、対象は同行が株主管理をしている約1600社の上場企業。希望する企業との間で、優待をどれだけの義援金に換算するかを決めるが、例えば1万円の旅行券なら同額の義援金とするなど、原則、優待価格と同額にする。
(2011年4月19日 フジサンケイ ビジネスアイ)

なかなか面白いサービスだけど、採算度外視で取り組むというコメントが銀行自身から出ている通り、永続的なサービスにはならない(できない)んだろうな。

株主優待制度って、保有株式数が増えると、「比例的に」ではなく、「段階的に」優待内容がアップグレードしていくので、理論的には株主平等原則への抵触が問題になっていた制度。

これがなぜ適法かというと、株式を多く保有する株主への優待的取扱いの程度が軽微であるとか、合理的な理由があれば株主平等原則を緩和することも許されるといった理由付けで説明されている、というのが私の理解。あと、株主優待で提供される便益が当該企業の扱っている商品など現金でないという点も、制度の適法性を補強する材料として考えていいかもしれない。

だとすると、今回のサービスは、義捐金に換算するためとはいえ、株主優待の対象を現金化する点が、配当金との関係で問題にならないのかなぁ?

形式的には、配当金を少し上乗せして、それを義捐金に回すように見えるので、株主平等原則にモロ抵触するようにも見えるんだが……。

まぁ、本来の株主優待で交付する物を会社が買い上げて代金を義捐金に回す、というのが、一番素直な解決なんだろうが、それはそれで会計上どう記帳するんだ?と気になったり……。頭の体操には良いネタですな。

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