2011年の日本学士院賞の決定
日本学士院賞授賞の決定について
日本学士院は、平成23年4月12日開催の第1048回総会において、日本学士院賞9件(佐竹 明氏・宮田秀明氏に対しては恩賜賞を重ねて授与)を決定しましたので、お知らせいたします。受賞者は以下のとおりです。
佐竹 明
宮田秀明
庄垣内正弘
佐藤恒雄
木庭 顕
望月拓郎
廣瀬 敬
谷口直之
宮園浩平
(2011年4月12日 日本学士院)
木庭先生、学士院賞の受賞、おめでとうございます。
今年の学士院賞を受賞した木庭先生には、法科大学院に入って最初の学期(もう5年も前だ)に「法史学」のコマで講義を受けたことがある。
「古代ローマで成立した『占有』の概念が、現代日本の民法典にいかに歪められた形で継受されているか」という問題意識のもと、占有が争点となった民法上の著名な判例を題材に、批判的な立場で講義してくださったことを思いだす。
その頃の私といえば、「民法?何それうまいの?」状態。法科大学院にいるとは口が裂けても言えないような状態。まぁその状態は今でもあまり変わっていないのだけれど…。
そんな状態で受けた木庭先生の講義は、難しすぎて分からないながらも、「困った時は、そもそもの原理原則に立ち返って考えてみる」という、仕事では当たり前のように使っている思考様式が、法解釈の場面でも使えるんだな、ということに気づかせてくれたという点で大変勇気づけられたものだ。
私は直接の弟子でもなんでもないけれども、あの時受けた講義は、法科大学院で受けた講義の中で最も印象深い講義の一つなので、個人的にすごくうれしい受賞である。
改めて、おめでとうございます。