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お気楽金融雇われ人の見聞録

カイワレ事件の教訓がまるで生かされてないね

首相、新たに福島産コマツナ…、茨城産パセリなど出荷停止を指示 両知事に
菅直人首相(原子力災害対策本部長)は23日午前、東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質放射能)が検出されたとして、福島県佐藤雄平知事に対し同県産のコマツナ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、カブなどの出荷を当分の間、控えるよう指示した。
(2011年3月23日 産経新聞

今回、出荷停止指示の根拠となった原子力災害対策特別措置法の条文は次のとおり。

(緊急事態応急対策及びその実施責任)
第二十六条 緊急事態応急対策は、次の事項について行うものとする。
原子力緊急事態宣言その他原子力災害に関する情報の伝達及び避難の勧告又は指示に関する事項
放射線量の測定その他原子力災害に関する情報の収集に関する事項
三 被災者の救難、救助その他保護に関する事項
四 施設及び設備の整備及び点検並びに応急の復旧に関する事項
五 犯罪の予防、交通の規制その他当該原子力災害を受けた地域における社会秩序の維持に関する事項
六 緊急輸送の確保に関する事項
七 食糧、医薬品その他の物資の確保、居住者等の被ばく放射線量の測定、放射性物質による汚染の除去その他の応急措置の実施に関する事項
八 前各号に掲げるもののほか、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止を図るための措置に関する事項

緊急事態の応急対策として出された指示ということのようだけど、該当しそうなのは8号の「原子力災害の拡大の防止を図るための措置」ですか。行政としては、事前に定められた基準値を超えてしまったら、粛々と出荷停止の指示を出さざるを得ないということで、そのこと自体にどうこう言うつもりはないのだけれど、これを伝えるメディアはもう少し付加価値をつけて報道してほしいな。

たとえば「暫定基準値がいくらなのか?」「暫定基準値を少しでも超えると、健康に影響があるのかないのか」「健康に影響があるとして、どのくらいの期間、継続的に摂取すると影響が出てくるのか」みたいな情報もあわせて提供してくれると、野菜の生産者だって消費者だって、もう少し建設的な行動が取れると思うんだけど。

まぁチェルノブイリの時に、放射性物質で汚染された農産物や乳製品が出荷され続けたことで、二次被害、三次被害が出たことを気にしているのだろうけれど、単に「基準値超えた。出荷するな」という情報を垂れ流すだけでは、恐怖感をあおるだけだと思うんだよね。政府が、その辺りの断定的な判断を示すのは難しいだろうから、メディアが参考情報として付け加えるのがあるべき姿のはずだけど、期待するだけ無駄ってことかな。

菅さんが厚生大臣だったときのカイワレ事件からメディアは何の教訓も得ず、進歩もしてないってことだよな。

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