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お気楽金融雇われ人の見聞録

「ある種のパワハラ」ではなくて単なるパワハラでしょ

僕も上司も同僚もやり過ごす、“ある種”のパワハラの正体
実際、これまで「バカね」と言ったことは何度もある。でも、相手の人格を否定したわけではなく、尊厳を傷つける気など微塵もなかった。にもかかわらず「パワハラだ」と言われたら、正直困惑してしまうだろう。「えっ? そんなつもりじゃないよ」と、やるせない気持ちになる。
(2011年3月3日 日経ビジネスオンライン

「言ってる方はそんなつもりじゃないのに」というのは、セクハラが定着する過程で見かけた議論。

ある言葉がパワハラにあたるかどうかの判断が難しいのはわかる。言われた方がどう受け止めるか?という点も判断の分かれ目だけど、私は「その場の人間関係を前提とした場合、一方通行でしか使われないような言葉」はパワハラ候補といっていいんじゃなかろうかと思っている。

例えば、上に出てくる「バカね」という言葉。言う方は相手の人格を否定するつもりはないかもしれない。

でも、職場の人間関係を前提にした場合、上の者が下の者に対して「バカね」ということはあっても、下の者が上の者に対して「バカね」とは言えないだろう。「バカね」という言葉はフラットな人間関係を前提とした言葉じゃないんだよね。暗黙のうちに上下関係を前提とした言葉なんだと思う。

これは「結婚しないの?」という言葉がセクハラにあたるかどうかと同じ構図。

これも男性が女性に向かって言うことはあっても、女性が男性に向かって言うことは一般的ではなかった。つまり「結婚」に対する社会的な意味づけが男女間でフラットではないことを前提とした言葉だったんだよね。だからこそ、「結婚しないの?」なんて問いかけることがセクハラにあたるというコンセンサスができあがったのだと思う。

だから「バカね」という一見深刻でなさそうな言葉であっても、暗黙のうちに上下関係を前提とした言葉は、「ある種のパワハラ」なんてカッコ付きにできるようなものではなく、単なるパワハラなんだと思うよ。

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