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お気楽金融雇われ人の見聞録

受験票回収はやり過ぎだよなぁ

「併願やめて」付属高合格者の受験票回収 学芸大竹早中
国立の東京学芸大学付属竹早中学校(東京都文京区、生徒数484人、山崎謙介校長)の3年生の担任らが、同大付属高校(東京都世田谷区)の入試に合格した自校の生徒らに「今後、他校を受験しないように」と要請し、計約40人から併願校の受験票を回収したり出願を辞退させようとしたりしていたことが分かった。
付属校を指導する立場の大学側は、保護者からの苦情で事実を把握したという。「付属高の合格者から入学辞退者を出さないための指導だったが、行き過ぎていた。今後はやめる」としている。付属竹早中は回収した受験票を18日に各生徒に返却するという。
(2011年2月18日 朝日新聞

学芸大の付属中学は、入ってからも付属高校へ進むために改めて高校入試を受けなければならないので、入れる/入れないを横におけば、個人的には中学段階で入るメリットを見出せない学校。まぁ、四半世紀前の愛知県でも愛教大の付属中から県立の進学校へ受験で入ってくる同級生は普通に見かけたが、愛教大附属高校の場合は、地理的な制約が大きかったから、ちょっと話が違うか。

高校側にしてみれば合格者に簡単に辞退されては叶わないだろうし、中学側も校内で付属高校に上がるためのバトルが繰り広げられているのを目の当たりにしている教員側としては、不合格だった子達の手前、合格した子には辞退せず進学してもらいたいと考えるのは良くわかる。

でも、もともと付属中高というつながりがあるにもかかわらず、改めて試験でふるいにかけられるというリスクを生徒側に負わせる以上、学校側は進学先として選んでもらえるかどうかでふるいにかけられるリスクを負うべき。外に逃げられたくなければ、それこそ推薦制度を入れれば良いだけ。

それはそれとして、竹早中がやっていることは、進学先を選ぶ自由の侵害であることは間違いない。憲法でいうと22条違反ということになるのかな?

学校側が生徒の進学先に干渉することを認めるロジックを考えるとすれば、「生徒を管理する包括的権能」として学校側の裁量をある程度広く認定するのだろうけど、附属中学校と附属高校のつなぎ目の部分の話だから、安直に適用するのは難しそうだな……。高校側が「合格したら進学すること」を条件として、受験生を募集したのであれば問題はなさそうだけど、学校間の申し合わせだけでは弱そう。

今回の竹早中の措置をサポートするのは難しそうだな。

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