聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

お布施や戒名料の目安があれば助かる人は多いんじゃないかな?

「宗教介入だ」仏教界困った イオンの葬儀サービスが「お布施」に目安
流通大手のイオンが、自ら手がける葬儀紹介サービスの中で「布施(ふせ)の価格目安」を打ち出したところ、仏教界が「布施に定価はない」と反発している。戒名(かいみょう)料などを渡す際に、寺から「お気持ちで結構です」と言われて、悩んだ人は多いはず。そんな声を受けて打ち出された価格目安だったが、寺側は「企業による宗教行為への介入だ」と受け止めている。
(2010年7月2日 産経新聞

「企業による宗教行為への介入」って何だ?

国や地方公共団体が、特定の宗教を保護したり弾圧したりすることは憲法が保障する信教の自由に抵触するから、「公権力による宗教行為への介入」が制限されているのは事実だけど、「企業による宗教行為への介入」という概念を持ち出すのは、信教の自由を拡大解釈しすぎ。宗教をアンタッチャブルな存在にしてはいかんでしょう。

だいたい、寺と親密な付き合いのない家庭は、「お気持ちです」と言われたって、どのくらいの金額で「お気持ち」を表せるのかわからない。私も、父の葬儀の時に困って、葬儀屋さんに教えてもらったりしたので、ある程度の目安を示してもらえると助かる、という人は多いんじゃないかな?

その証拠に、イオンが手がける以前から、この手のサービスは、葬儀屋の斡旋という形で存在する(ウェブを検索すればいくらでも出てくる)し、冠婚葬祭のハウツー本にだってそれなりの目安が示されているので、今になって騒ぐのは…という感じ。

寺院のコンサル事業を手がける日本テンプルヴァン株式会社の井上文夫社長の話「布施や戒名料は、寺と檀家(だんか)の長い付き合いの中で決まっていくもので、営利企業が扱う筋合いのものではない。目安とはいっても、大企業が発表すればそれが『定価』として一人歩きしてしまう恐れがある」

ま、お布施や戒名料が、寺と檀家の長い付き合いで決まるというのは、理想的にはその通り。

でも、現実には上で書いたような状況がすでにあるのだし、寺の方だって檀家以外に戒名を授けたり、お経をあげにいったりしているわけで、「営利企業が扱う筋合いのものではない」は言いすぎ。情報を不透明にしておくことで、自らの権威を少しでも高めたいとか、力関係を有利にしたいということに過ぎないんだよね。だからこそ、「企業による宗教行為への介入」みたいな大上段に振りかぶった反論が出てくるというわけだ。

↓共感できるエントリーだったらポチッとお願いします。
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ