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お気楽金融雇われ人の見聞録

東京リスクマネージャー懇談会セミナー「ストレステストの活用と課題」

東京リスクマネージャー懇談会(TRMA)のセミナーに参加。 お題は「ストレステストの活用と課題」。

今回のセミナーは、日本銀行金融高度化センターが昨年開催したワークショップ、「VaRの活用と留意点」で行なわれたディスカッション内容を踏まえた、ストレステストの現状と課題についての講演。講師は日本銀行金融機構局金融高度化センターの内田善彦さん。

ストレステストというのは、リスクファクター(たとえば金利や株価)の変動によって、金融機関(または事業会社)が抱えるポートフォリオの価値がどのような影響をこうむるかシミュレーションを行い、ポートフォリオのリスク特性(どのようなリスクに弱い[強い]のか)や、自己資本の十分性を確認するリスク管理手段。 過去データから統計的に計算するVaRとは異なり、想定されるリスクファクターの変化を過去データとは関係なく与えることができるので、VaRで捕らえきれない事象が発生した場合のシミュレーションに使うことができる。

聴衆の興味の中心は、このストレステストをリスク管理・経営に活かすためにどのような工夫があるのか(必要か)?という点。 これについては、決まった答えがあるわけではなく、それぞれの金融機関のニーズに合わせて創意工夫し続ける必要がありますね、というのが今日の結論か。 肩透かしに感じた人もいたかもしれないが、現時点で出せる回答は、ここまでであろう。

個人的な認識としては、経営陣をいかに巻き込むか?がストレステストの有効活用のキモであり、そのためにはリスク管理部部署と財務企画部署がタッグを組んで、継続的に経営陣と対話していくことが必要と思う。

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