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お気楽金融雇われ人の見聞録

ぼやいている暇があったら、世界中から選手を集めることを考えればいいのに

西武の松坂投手は60億円という破格の落札額でボストン・レッドソックスが交渉権を得ましたね。イチロー、松井に続き、日本の最高クラスの選手がそろってメジャーリーグに行ってしまうのは残念な気持ちもありますが、世界最高のリーグで思う存分力を発揮してもらいたいなと思います。

その一方、楽天の野村監督を筆頭に日本球界がメジャーリーグの草刈場となっていることに懸念を示す人もいます。

米球界関係者の中には、経営が厳しくなった日本の球団側が、ビジネスとして選手を「売り」に出す動きを強めるのではとの読みもある。今後は最も高値で売れる時に選手を手放そうとして、入団から入札制度で移籍するまでの年数が早まるとの観測だ。大リーグ機構には、世界のアマチュア選手を対象にした「世界ドラフト構想」があるが、入札制度によって日本球界が草刈り場となる恐れがある。
……主力選手の相次ぐメジャー流出で懸念されるのは、日本プロ野球のレベル、人気低下への影響だ。今月行われた日米野球全日本選抜を指揮した楽天野村克也監督は、「損得が判断基準になったらまずいわな。複雑な心境だよ。一流がいなくなる。つまり、日本のプロ野球のレベルが落ちるわけだよ」と警鐘を鳴らす。(毎日新聞 2006年11月16日)

野村監督の気持ちはわからないでもないし、野村監督にはまったく責任は無いのですが、現在こういう状況になっているのは日本プロ野球界の怠慢以外の何者でもないでしょう。いい加減選手の供給源を日本だけに限定して考えるのはやめるべきです。

大体、日米野球だって、本当の意味で日本プロ野球メジャーリーグにしたいのであれば、巨人のイ・スンヨプや中日のウッズ、日ハムのセギノール、マイケルなどなど、外国人選手でも代表選手として戦ってもらいたい選手はいるはずです。メジャーリーグは井口や城島がメジャー代表に名を連ねているわけですし。そういう意味で、今回の日米野球は日本プロ野球の発想の「田舎くささ」がすごく目に付いたシリーズでした。

そういう意味では、日米野球で5連敗したことで、やっぱりメジャーリーグに一日の長があることも再認識されてしまったのは残念でした。今年はWBCで優勝したし、日本の野球のレベルの高さに世界の注目が集まった年なので、世界中から選手を受け入れる方向へ方針転換するいいチャンスだったのに、うまく活かせませんでしたね。

韓国や台湾、オーストラリア、それこそアメリカにだっていい選手はたくさんいるはずですから、「レベルが低下する」などとぼやいている暇があったら、これらの選手が日本のプロ野球を目指して自由にチャレンジできる枠組みを作るべきでしょう。同じく国技を自称している大相撲があれだけ国際色豊かになって世界的に注目されていることから、プロ野球が学ぶべきことは多いと思いますよ。