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「ヒゲ」と書いても有効投票になるんだ

「ヒゲ」記入票で当選、有効です 高松高裁
昨年12月の徳島県鳴門市議選で1票差で落選した明野尚文元市議が、「ヒゲ」と書いた当選候補の票は無効として、県選挙管理委員会を相手に当選の無効などを求めた訴訟の判決で、高松高裁は6日、元市議の請求を棄却した。
馬淵勉裁判長は判決理由で「市民の間で『ヒゲ』は当選候補の呼称になっており投票した選挙人の意思は明白。有効投票と認められる」とした。
判決によると、市議選は29人が立候補し、明野元市議は853票で落選。1票差で当選した坂東成光市議の票に「バンド ヒゲ」などと書いた票があった。坂東市議は昭和60年ごろからひげをはやし、選挙で「ひげの坂東」などと呼び掛けていた。(産経新聞 2006年11月7日)

いくら「ひげの坂東」がニックネームになっていたからといって、「バンド ヒゲ」と書いた投票が有効というのはアリなんだろうか、と思って公職選挙法を見てみました。

(無効投票)
第68条  衆議院比例代表選出)議員又は参議院比例代表選出)議員の選挙以外の選挙の投票については、次の各号のいずれかに該当するものは、無効とする。
(略)
六  公職の候補者の氏名のほか、他事を記載したもの。ただし、職業、身分、住所又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。
七  公職の候補者の氏名を自書しないもの

……なんかすごく微妙なんですけど(^^

「ヒゲ」なんて明らかに「他事」に該当するはずですが、「敬称の類」という解釈なんでしょうか?

かなり無理のある解釈じゃないかと思いますが、2票で当落がひっくり返りますから、裁判所としては鳴門市選挙管理委員会の判断を「尊重」して、敢えて口を挟まないという判断があったような気がします。判決理由が「市民の間で『ヒゲ』は当選候補の呼称になっており投票した選挙人の意思は明白。有効投票と認められる」となっているあたりからもそれが伺えますね。