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お気楽金融雇われ人の見聞録

司法修習“追試救済”やめます、ですか…

私は、集団の「質」を高めるには「裾野」を広げることが必要不可欠だと思っていたのですが、裁判所のアプローチは逆みたいですね。

司法修習“追試救済”やめます…質低下防止、来年から
司法試験に合格した修習生が、法曹資格を得るために受ける司法修習の卒業試験について、最高裁の「司法修習生考試委員会」(委員長・町田顕長官)は11日、試験の落第者を対象に行ってきた「追試」を来年から廃止することを決めた。
司法制度改革の一環で司法試験合格者数が増加する中、今秋の落第者が107人と過去最高となるなど、修習生の質の低下が懸念されており、法曹の質の確保を厳格にすることにした。(YOMIURI ON-LINE 2006年10月12日)

どちらが正しくて、どちらが間違っているというのではないのでしょうが、法科大学院に入るのもそんなに簡単ではない、新司法試験も旧試験より倍率が下がったとはいえ誰でも受かる試験ではない、ようやく司法試験に受かっても司法修習という丁稚奉公が待っており、丁稚奉公の卒業試験で落第したらハイそれまでよ、というのでは法曹を目指したいという「奇特」な学生はどんどん減ってしまうだろうな、と奇特な法科大学院生は思います。最近のように景気が良くなって民間企業の採用が増えて、給料もそれなりにもらえそうというのであれば、なお更です。

法科大学院生として気になるネタ二つ」でも書きましたが、官庁や企業が法科大学院出の学生のリクルートを本格化させることになれば、そちらに流れる学生も増えるんじゃないのかなぁ……。裁判所の危機意識も理解できますが、採用戦略という観点からは、法曹の志望者をかえって減らしかねない施策じゃないかなと思います。