聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

安直に閲覧制限してしまう図書館って……

閲覧制限:全国の図書館に広がる 実名報道の新聞・雑誌
山口県周南市徳山工業高等専門学校5年、中谷歩さん殺害事件で、殺人容疑で指名手配された少年(19)=7日に遺体発見=を実名報道した新聞や週刊誌について、各地の公立図書館で閲覧を制限する動きが出ていることが毎日新聞の調べで分かった。中には週刊誌を袋とじしたり、新聞の顔写真に付せんを張ったケースも。「図書館の自由」が優先か、「少年法の趣旨尊重」か--関係者は苦慮している。(毎日新聞 2006年9月12日)

公称で何十万部、何百万部と発行されている新聞や雑誌だから、別の手段でいくらでも手に入るから、たかだか数館の図書館が閲覧制限したところで実害はないと言っていいのだろうけど、公立の図書館が安直に閲覧制限に踏み切ってしまうあたりが何とも……。

閲覧制限の理由に「少年法の趣旨尊重」を挙げたあたりもセンスがないというか、説得力のかけらもないというか。確かに加害者少年の人権云々という話はわからないでもないですが、そんな加害者の少年の人権なるものを振りかざすのであれば、殺された中谷さんのプライバシーが晒されまくっていた新聞、週刊誌の閲覧を制限しなかったのは何故なんだというツッコミが入るのは容易に想像できるでしょうに。

自分の思想の沿わない教科書を「焚書」処分にしてしまった図書館長もいましたが、この手の「木を見て森を見ず」な人々が公的な図書館で雑な人権意識を振りまいているというのは、ちょっと勘弁してもらいたいですね。