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中国さまがんばって!

中ロが独自の非難決議案・北朝鮮問題、制裁盛らず
北朝鮮弾道ミサイル発射問題への対応を巡り、中国とロシアは12日の国連安全保障理事会で制裁措置を盛り込まない独自の非難決議案を提出した。法的拘束力がない議長声明を主張していた従来より中ロが歩み寄った形だが、日米英などが提出した制裁決議案と比べ、ミサイルや関連技術の移転を阻止する上での実効性は薄く、日本は受け入れに慎重。中国も日米案には拒否権を行使するとしており、妥協点を探るための駆け引きがなお続きそうだ。
決議案は国連加盟国に対して一定の拘束力はもつ。だが中ロの決議案は日米英などの制裁決議案と違い、制裁の法的根拠となる国連憲章7章には言及していない。ミサイル発射を「国際平和と安全への脅威」と認定する文言もなく、内容は中国が先に単独で提出した議長声明案とは大きく変わっていない。(NIKKEI NET 2006年7月13日)

日米が10日に制裁決議案の採択に持ち込めなかったことを捉えて、中国の巻き返しがすごいという評価をちらほら見かけますが、それはちょっと近視眼的な評価でしょう。日本にとって制裁決議は目的ではなく、北朝鮮のミサイル開発、核開発、拉致問題を解決するための手段に過ぎませんから、中国様がメンツをかけて北朝鮮を説得(恫喝)し、少なくともミサイル開発、核開発にブレーキがかかれば十分なわけです。

実際苦しいのは北朝鮮の説得を買って出た中国の方でしょう。中国は、北朝鮮のミサイル開発や核開発にブレーキをかけるか、少なくとも六カ国協議の場に引き出してくることが期待されているわけですが、どうも今回北朝鮮は中国の言うことを聞きそうにありません。このまますごすごと引き下がったのでは面子丸つぶれになるとともに、せっかく積み上げてきた極東地区での影響力がまた低下してしまいます。中国は、かなり焦っているはずです。

日本が北朝鮮の制裁決議案を提出した時点では、拒否権発動をちらつかせながら、形ばかりの議長声明案提出で時間を稼ごうとしましたが果たせず、面子をかけて北朝鮮を説得(恫喝)しようとしているものの、どうもうまく行っていない。だからこそ、議長声明案を(内容がないとは言え)非難決議案に格上げし、決議案同士のテーブルに載せて修正を加える振りをして時間を稼ごうというのが見えみえです。今ごろは、北朝鮮に対する見返りの条件闘争をしているはずです。

したがって、現時点で日本が修正協議に乗っかる必要は全く無く、中国の「外交努力」を生暖かく見守り、応援して差し上げるのがよろしかろうと思います。