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歓迎 ディフェンスライン押し上げ議論

北朝鮮のミサイルについて、政府からもディフェンスラインを押し上げる話が出てきましたね。歓迎すべき動きです。

敵基地攻撃能力の保持、額賀防衛長官「議論すべきだ」
額賀防衛長官は9日、北朝鮮弾道ミサイル発射を踏まえ、日本として敵基地攻撃能力保持を検討すべきとの考えを明らかにした。
額賀長官は同日、都内で記者団に「独立国家としては、侵略戦争はしないとか、相手陣営で武力行使をしないという枠組みを持っていたとしても、国民を守るために最低のものは持たなければいけない。与党で議論するべきだ」と述べ、検討の必要性を強調した。同時に、「にわか仕立てでどうこうすることではない」とも述べた。…
敵基地攻撃能力は、弾道ミサイルの発射基地など敵基地を攻撃する能力。敵基地の状況を確認する能力のほか、攻撃するため〈1〉戦闘機の航続距離を延ばし、対地ミサイル・爆弾の搭載〈2〉護衛艦などから発射する長射程のミサイル装備――などが必要になる。政府は、「自衛権の範囲」(1956年・政府統一見解)としている。しかし、「権利はあるが能力は未整備」というのが現状だ。(2006年7月10日 YOMIURI ON-LINE)

今週は日本とアメリカが提出している北朝鮮への国連安保理制裁決議案の採決が行われる可能性がある一方で、この動きに否定的な中国と韓国がそれぞれ北朝鮮と会合を持ち、6カ国協議への復帰やミサイル発射実験の凍結を働きかけることになりそうです。

仮にこれまでに無く本気で説得に当たったとしても、北朝鮮から見れば、中国・韓国の要請を聞いたところで情況が好転しない、すなわちアメリカ(と日本)が態度を軟化させることはあり得ないと映るでしょう。少なくとも、中国が現時点でアメリカの態度軟化を手土産にピョンヤンへ向かっているとは思えませんし、ここ一両日で韓国がアメリカの譲歩を引き出す可能性はゼロでしょう。

そういう状況を踏まえ、これまで北朝鮮を甘やかしてきた張本人たちが、どこまで北朝鮮を説得できるか見ものではあります。

日本としては、中韓の説得がうまく行くかどうかは別として、北朝鮮が日本国内に着弾するミサイルを「実際に」発射しかねないことを「現実の脅威」と認識して、対応策の検討は始めてもらいたいところです。