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お気楽金融雇われ人の見聞録

人間関係が希薄化しているらしい

人間関係「希薄に」80%…読売世論調査
読売新聞社が実施した全国世論調査(面接方式)で、社会の人付き合いや人間関係が希薄になっていると思う人は、2000年7月の前回調査よりも7ポイント増え、80%に達した。
希薄になっていると思う人は、大都市よりも、中小都市や町村で急激に増えており、人とのつながりの喪失感が大都市部だけでなく、全国的に広がっていることが浮き彫りとなった。…
…その理由では、「人と接するのをわずらわしいと思う人が増えた」49%が最も多く、次いで、「人の立場を理解できない人が増えた」48%、「テレビゲームやパソコンなどでひとりの時間を過ごす人が増えた」45%――などの順だった。(YOMIURI ON-LINE 2006年6月12日)

ん~、人間関係が「希薄」というのはどういう状態を指しているんだろう。なんだか漠然としたイメージの先行した調査結果ですな。

「望ましい人間関係の濃密度」の基準があるなんて聞いたことがないし、まして「1日に会話した他人が○人以下だったら人間関係が希薄」とかいう基準があるわけでもないでしょうから、人間関係が「希薄」かどうかは基本的に調査を受けた人の主観で判断されているということですよね。調査を受けた方々がどのような考えを持っておられるのか分かりませんけれども、どのくらいの人間関係であれば「希薄ではない」人間関係と言えるんでしょう。そもそも「望ましい人間関係の濃密度(?)」の基準ってあるんですかね?

というのは、わが身で考えると「人間関係が希薄である」という現実感が無いからなのです。そりゃ学生時代の友人関係と今の私を取り巻く人間関係を比べれば、「希薄」な人間関係であることは間違いないのですが、そこに基準を置いてしまうとどんな人間関係も希薄な人間関係になってしまいますから基準足り得ないし、逆に毎朝の通勤電車で乗り合わせる人々なんかを考えれば、「同じ電車に乗り合わせた」という以上人間関係はありませんが、そこに濃密な人間関係を求めるのもどうかという話ですよね。

理由に挙がっている項目を見てもわけが分かりません。確かに自分の身の回りの人間がこんな人間ばかりだったとしたら人間関係が希薄(というか大変)な気もしますが、社会一般としてこういう属性を持つ人間が増えているということなんだろうか。逆に自分と縁もゆかりもない人間がここに挙がっているような人物だったとしても別に関係ないし、気にする必要ないように思んですけどね。

最近の幼児・小学生をターゲットにした凶悪事件の続発と、その原因を社会・共同体での子育てなるものの消失に結び付けたがるマスメディアの論調が背景にあるのでしょうが、かなり実態のないイメージが先行した調査のように思います。鵜呑みにするのは危険かも。