聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

すかいらーくの狙いはなんだ?

すかいらーく、国内最大の経営者による自社株買収へ
ファミリーレストラン大手のすかいらーく(本社・東京、東証1部)が、経営陣による自社株の買収(MBO)による一般株主からの株式買い取りを検討していることが8日、明らかになった。…
主力のレストラン事業が将来的に成長が見込めないことから、株式を非公開にすることで、既存事業の見直しや業務の再構築を進めやすくする。敵対的買収に対する防衛策の狙いもある。全株式を取得した場合の買収金額は2600億円を超える見込みで、昨年のアパレル大手のワールドの創業者一族による買収(2080億円)を上回り、国内で最大のMBOとなる。
すかいらーく横川竟(きわむ)会長兼最高経営責任者(CEO)ら創業一族と経営陣が特別目的会社(SPC)を設立し、SPCがすかいらーくの株式公開買い付け(TOB)を実施する。買収資金は投資ファンドからの出資などでまかなう。(YOMIURI ON-LINE 2006年6月8日)

2600億円近いMBO資金をどこから調達するんだろと思っていたら投資ファンドからですか。確かに非上場にすれば、株価下落で株主(企業)に償却負担を被らせることはなくなるだろうけど、逆にファンドの要求利回りを配当だけで満たせるんだろうか。直前の決算期の配当金が1株あたり24円ということは、配当利回りはせいぜい1%ちょっとということなのに投資に応じるファンドがどのくらいあるのかなぁと。業績が悪くなれば配当も絞らざるを得ないだろうし。

すかいらーくの本当の狙いはどこにあるんだろうか。事業再編とか、買収防衛とかいろいろあるのだろうけれど、別に事業再編だけであればMBOの必然性は無いだろうし、すかいらーくには個人の株主が5万人以上いるからコレだけでも結構な買収防衛策になっているはずなのに。

実は株主優待制度の廃止が一番の狙いなのでは?

株主優待も1000株(大体200万円)で年間24,000円の食事券が配られるわけですから、個人株主にしてみれば食事券を全部使えば配当金を2倍もらったのと同じ効果(?)があります。仮に食事券の使用率が5割としても、会社からすれば数字上はその分配当にまわす余裕が出ますよね。株主優待は配当政策に比べて下方硬直性がありそうだし、案外企業にとっては重荷になっているのかもしれませんね。…まぁそんなことは100%ありえないでしょうが。