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お気楽金融雇われ人の見聞録

村上さん引退宣言

上代表「この世界から身を引く」
村上ファンド村上世彰代表は5日、東京証券取引所で開いた記者会見で、自身の証券取引法違反インサイダー取引)について、「証取法というこの世界の憲法を犯してしまった」と同法違反を正式に認めた。その上で、「私がこの世界にいるのはおかしい。基本的にきょうをもって、この世界から身を引く」と述べ、投資ファンドの運営から身を引く考えを明らかにした。(NIKKEI NET 2006年6月5日)

村上ファンドの村上代表、今日の記者会見で正式に証取法違反を認めたようで、逮捕まで秒読みという情勢になってきましたね。シンガポールへ逃亡を図ろうとした割に「私がこの世界にいるのはおかしい。」とは殊勝過ぎる気がしますけれども(^^

今にして思えば、村上ファンド東京スタイルとバトルしていた頃までは、まだ「配当」という形で投資の果実を得ようとしていたように見えました。なので、バランスシートの何割か(3割近かったでしたっけ)にも及ぶ現預金を何とかせい、使わないのであれば株主に還元しろという主張が株主への還元を求めた株主提案もそれなりに説得力を感じていたのものです。

ところが、東京スタイルとのバトルが終わり、しばしの沈黙の後出てきたニッポン放送やらTBS、今回の阪神もですが、これらに対するスタンスは、もはや高配当目当ての投資ではなく、高値売り抜け目当ての投機に変わっており、名実・言動とも立派なグリーンメーラーにご成長あそばされており、面食らいました。もともと投資ファンドですから収益至上主義で当たり前とは思うのですが、高値売り抜けにしか興味がないことが割れてしまえば、企業価値向上が目当てと言われても説得力の欠片もありません。このあたりに何らかの転機があったんでしょう。

こちらのブログこちらのブログでは、そのあたりの事情をにおわせる記述が出ているのですが、私には真偽のほどは分かりません。分かりませんけれども、ファンドの性格がガラリと変わってしまったことと合わせて考えてみると、納得するところ大ではあります。

うわさが本当だったとして、村上氏の逮捕をきっかけにそのあたりの事情が芋づる式に明らかにされたとすれば、それはそれで大功績ということになるんでしょう。どこかのブログで司法取引なる単語が出ていたのもコレのことだったのかと腑に落ちるわけですが、さて。