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お気楽金融雇われ人の見聞録

金英男さん家族帰国

金英男さん家族、帰国の途に…面会巡るミゾ浮き彫り
見送りに来た横田夫妻に涙を見せる金英男さんの母・崔桂月さん(新潟空港で) 韓国人拉致被害者、金英男(キム・ヨンナム)さんの家族は31日、新潟空港から帰国の途に就いた。…
「(北朝鮮に)行きます」。金さんの姉の英子(ヨンジャ)さん(48)は29日、参考人招致された衆院拉致問題特別委員会で、「家族に会うため、北朝鮮から誘いがあった場合はどうするのか」と問われ、きっぱりとそう語った。…
これに対し、早紀江さんは「(めぐみさんの娘の)ヘギョンちゃんが現れた時、すぐにでも行くという気持ちであったが、北朝鮮がどういう国か考えなければならない。自由に話ができる場所でなければ(北朝鮮の思惑通りになり)こちらが行くのは危険」と発言。孫から訪朝を呼びかけられても応じず、日本での面会を訴え続けてきたことを改めて強調した。(YOMIURI ON-LINE 2006年5月31日)

北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの夫といわれる金英男さんの母と姉が訪日し横田さん夫妻などと面会していましたが、拉致された本人との面会のやり方については、両者の考えは少し食い違っていたようです。

私なんかは、家族に会うため北朝鮮からの誘いに乗ってかの国へ行くという金さんの考え方は、むやみに人質を増やす結果を招くだけではないかと思ってしまうのですが、それは曲がりなりにも国として拉致問題に取り組んでいる日本にいるからこその感覚なのかもしれません。韓国の場合は、国として正面から北朝鮮拉致問題に取り組むところまで行っていないようだから、チャンスがあれば一人でも乗り込みたいという気持ちは、国のバックアップを期待できない諦観の裏返しなのかもしれないなと思います。まぁ、韓国と北朝鮮は同じ民族だから、という感覚もあるのかもしれませんが。

ただ、いずれにせよ北朝鮮に拉致された人々を取り戻すためには、国や個人がばらばらに対処しても効果がないのは明らかですから、韓国を名実ともに反北朝鮮側に持ってくるためには、個人レベルでの問題意識の共有が極めて大事なのだと思います。にもかかわらず、ことさらに横田さん、金さんの間のミゾを強調する書き方には、ちょっと悪意を感じます。