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お気楽金融雇われ人の見聞録

あの歌を歌っていれば…

都立板橋高の卒業式「妨害」、元教諭に罰金刑 東京地裁
東京都立板橋高校の04年の卒業式で、開式前に保護者らに国歌斉唱時に起立しないよう呼びかけたなどとして、同校元教諭・藤田勝久被告(65)が威力業務妨害罪で在宅起訴された刑事裁判で、東京地裁は30日、無罪主張を退け、罰金20万円(求刑・懲役8カ月)の判決を言い渡した。…
判決によると、藤田元教諭は(定年退職後の)04年3月11日午前9時42分ごろから午前9時45分ごろまでの間、板橋高校体育館で、午前10時開式予定の卒業式のために着席中の保護者に向かい、「今日は異常な卒業式」と訴え「国歌斉唱のときは、できたらご着席をお願いします」などと大声で呼びかけ、教頭が制止すると「触るんじゃないよ」などと怒号をあげた。校長が退場を求めても従わず、式典会場を喧噪(けんそう)に陥れ、開式を約2分遅らせるなどした。(asahi.com 2006年5月30日)

公務員のクセに国歌斉唱や国旗掲揚に反発するのはどうよ?という話はさておき、この方も昨日取り上げた(参照)「KISS ME」を歌っていれば起訴されることもなかっただろうに、などと思わなくもないですが、定年退職したにもかかわらず学校に現れて卒業式の異常を訴えかける情熱を考えれば、空耳アワーで別の歌を歌っているような気になるなどというのは、生ぬるくて我慢できないんでしょうね。

昨今の国歌斉唱、国旗掲揚に関する東京都のやり方は、正直やり過ぎだと感じる部分が大なので、それに反発・反対する人々がいることは否定する気はありませんけれども、こういう人たちに決定的に欠けているのは「卒業式の場で、いち教員の政治的な主張など聞かされたくない」人がたくさんいるであろうことに対する想像力。自分たちの卒業式をぶち壊されかけた生徒たちの気持ちなんてこれっぽっちも考えていないんでしょう。なんてったってコレですからね…orz

元教諭は、教員生活最後の年に受け持った1年生の卒業を見届けるために来賓として来ていた。