聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

結局女の子におんぶに抱っこかい!

と思ったのは、昨夜の日テレ「行列のできる法律相談所」の中の特集。話は、淡路島の高校の家政科を卒業する5人の内気な男子生徒が、自分たちの卒業と同時に退職する先生に何とか感謝を伝えたいと思って、丸山弁護士に相談したのがきっかけ。丸山さんの「歌を歌うのはどうだ」という提案に乗った少年たちは、クラスの女子生徒の協力を得て、無事に卒業式で「仰げば尊し」を歌ってあげられた、めでたしめでたしという話だったのですが、正直あまり感心しませんでした。

勇気を振り絞ってクラスの女の子たちに提案したのは良かったのですがその後がいただけません。歌の練習ではちっとも声が出なかったり、丸山さんの「OGにも声をかけたらどうだ」という提案でOGに協力を求める電話をかけてはみても、電話口でてんぱってしまいいたずら電話と勘違いされたり(家政科の男子生徒は40年ぶりだったそうなので無理ない部分もありますが)と、まぁ気持ちばかり先走って行動がついてこない典型みたいな状況に陥ってしまったわけです。

で、彼らの行動がついてこない部分をフォローしたのがクラスの女の子たちなんですよね。声が出ない彼らを大きな声で歌えるように叱咤したり、OGの協力を得られない彼らの代わりに手分けして電話をしてあげたりという実に献身的なサポートのおかげで無事に卒業式を迎えられたというのが実態のように見えました(テレビの編集かもしれませんが)。

にもかかわらず、壇上に上がって先生に謝辞を朗読したりしたのは少年たちで、女の子たちはほとんど裏方のまま式は終わってしまいます。このあたりがなんともいえず理不尽ですね。少年たちは彼らなりに頑張ったのでしょうが、結果だけ見ると「結局、女の子たちのお膳立てに乗っかっただけかい!」とツッコミを入れたくなるような内容でしたね。彼ら自身がそのあたりを自覚していれば良いのですが、妙な成功体験だけを記憶してしまうと却って問題だろうなと要らぬ心配をしてしまいました。

妻によればそういう状況は日常茶飯事で「30にもなるとそういうものだと達観してしまう」ということらしいですが、そう言われてみれば自分自身、家庭ではもちろん、仕事の場面でも特に細々したロジ周りの仕事で女性のお膳立てに乗っかっているだけという場面は少なくないわけです。そうしてみると「結局女性におんぶに抱っこかい!」というツッコミは自分自身に向けられていたということで、彼らに対して感じたイライラは同族嫌悪みたいなももといういうことですかね、ふ~。