聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

景気後追いの人事政策か…

採用が拡大しているというのは景気が上向いていることの傍証なのでしょうが、もう少し景気に左右されない人事政策を取ってもらえるとありがたいなと思います。

大手銀が再雇用を積極化・りそなやみずほ
大手銀行が異業種からの中途採用や退職した社員の積極採用に乗り出す。三井トラスト・ホールディングスは2002年の発足以来初めて中途採用に本格的に踏み切る。りそなホールディングスは傘下銀行4行で、結婚や出産で辞めた女性従業員を対象に再雇用制度を導入する。みずほフィナンシャルグループなどメガバンクも今月から65歳までの継続雇用制度の運用を始めるなど、各行とも営業力強化を狙って陣容拡大に動き出した。不良債権処理にメドを付けた大手銀行は個人取引の強化などに向けて、新卒採用を増やしている。(NIKKEI NET 2006年4月4日)

私自身はバブル期の大量採用と就職氷河期のちょうど境目の時期に会社に入った人間で、どちらかと言えば大量採用の恩恵に預かって今の勤務先に潜り込んだクチですが、下の世代の採用がどんどん絞られていった結果、今では従業員の年齢構成がかなり歪んでいます。あと10年~15年くらい経った時にどうなっているのか想像もつきません。

好景気の時に採用を拡大して、不景気の時に採用を絞るというのは、業績拡大時に人件費が拡大し、業績後退時に人件費が減少するため一見合理的に見えますが、あくまで「頭数」優先の発想だし、あまり頭を使っているようには見えませんね。人材の「質」を確保する観点からは、株を高値で買って安値で売ることに似た典型的な負けパターンですよね。これを避けるためには、景気動向に係らず毎年の採用人数をあまり変化させないことが一番のように思うのですが、景気動向との関係で言えば逆張り戦略に当たりますから、金融機関に限らずどの会社もなかなか実践が難しいということなんですかね?

単に中長期的な戦略が無いだけなのでしょうが…orz