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お気楽金融雇われ人の見聞録

民主党代表交替に向けた雑感

平日勤務の会社は今日から新年度ということで、私が利用している通勤電車も普段より混雑度がひどかったような気がします。真新しいスーツに身を包んだ初々しい新社会人という風情の方より、お世辞にも初々しいとは申し上げられない方々が目立ったような気がするのは、新社会人ならずとも毎年訪れる新年度に発奮していることの表れなんですかね。 まぁ、ひと月もしないうちに混雑度が定常状態に戻るのも毎年のことではあるのですが。

さて旧年度の終わりを飾った前原民主党代表の辞任劇。新党首候補として小沢さんや菅さんの名前が挙がっていますが、「もういい加減にして」というところです。せっかく年度の改まりとともに党代表が改まるというのに清新さのかけらもありません。

前原辞任容認が8割、「決断遅い」も69%
民主党の前原代表が「偽メール」問題で引責辞任を表明したのを受け、読売新聞社は1、2の両日、緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。…
…前原氏の後任代表として最もふさわしいと思う人を9人の中から選んでもらったところ、小沢一郎・前副代表が24%でトップだった。次いで、菅直人元代表19%、鳩山幹事長10%、渡部恒三国会対策委員長6%の順。民主支持層では小沢氏32%、菅氏27%だった。(YOMIURI ON-LINE 2006年4月3日)

世論調査の結果でも小沢さん、菅さんの人気が高かったことから、2人とも嬉々として代表戦に名乗りを上げてくるのでしょうが、何で今さら前原代表よりひと回りもふた回りも年上の代表を担ぎ上げて時計の針を逆に回すようなマネをするのかさっぱり分かりません。

民主党のお家騒動を見ていていつも感じることなのですが、民主党の方々って自分たちが自民党と同じくらいの規模や質を持った集団だと勘違いしていませんかね?

規模はもちろん、人材の層の厚さという点でも自民党民主党は大きな差があるのは外から見ていると明らかなので、民主党としては、大企業に対するベンチャー企業のように、機動力を生かして自民党の「重さ」を攻撃していくしかない無いわけですが、その差を無視してがっぷり四つで自民党に対峙しているように見えます。小沢さんや菅さんを代表に担ごうとする動きは、これまでの彼らのキャリアや実績、年齢的な重みを重要視してのことなのでしょうが、それは旧来の自民党的なやり方です(官僚的・大企業的なやり方と言ってもいいかもしれません)。

結果的に前原さんは適切な情勢判断もなく突撃して散り果ててしまいましたが、これに替わる代表が菅さんでは反対政党どまりでしょうし、「党代表」小沢さんは政党クローザーとして抜群の実績を持っていますから民主党自体の行く末が不安です。民主党は将来的に政権政党になりたいのであれば、引続き若い世代をトップに据えて中期的に政権担当能力を高めていくのが、苦しいでしょうけど王道のような気がするのですが…。