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お気楽金融雇われ人の見聞録

アメリカ牛肉輸入再開に伴うゴタゴタはあっさり収束

アメリカ牛肉輸入再開に伴うゴタゴタ、そもそもの原因は予め決めていた政府方針と閣議決定した答弁書の食い違いにあった模様。

米牛肉輸入、答弁書に政府方針とズレ
中川農水相は30日夜の衆院予算委員会で、答弁書に反し、事前に米国の現地調査をせずに米国産牛肉の輸入決定をしたとの午前中の答弁に関し、閣議決定後の状況の変化を説明し、「必ずしも答弁書に反しているわけではない」と釈明した。
(略)
朝日新聞社が入手した政府の内部資料によれば、政府は答弁書閣議決定以前の段階で、米国産牛肉の輸入再開を12月12日に決定し、その後に査察団を米国に派遣する方針を固めていたことが分かっている。(asahi.com 2006年1月31日)

政府方針は輸入再開の現地調査を想定していたのに、答弁書は輸入再開の現地調査を行うことにしていたため、中川農水相はじめ政府の面々も混乱していた様子。それで大臣の答弁がぶれるものだから、聞かされた与野党議員も大混乱というのが昨日の構図。夜の間にあっさり収束したようです。

実際問題としては、事前だろうが事後だろうが担当官が「全ての」食肉加工工場を調査することは不可能ですから、事前調査を実施していても結果は大差無かったろうと思うのですが、十分な説明なしに文書化した方針と異なる行動をとったのは責められても仕方が無いと思います。個人的には民主党騒ぎすぎと思いますが、とりあえず自民党を攻撃できれば何でもいいやという感じなんでしょう。

政局をさておけば、牛肉の輸入問題なんて実にシンプルな話で、日米の政府間でいかに牛肉輸入解禁のための条件を整備しても、輸入牛肉を買うか買わないかは日本の消費者次第だということでしょう、おそるべし日本の消費者パワー。日本政府は、痛いほどそれが分かっているから、危険部位が混入していたことが分かった時点で即時輸入禁止に踏み切ったわけです。一方、アメリカ側は政府、食肉業者ともその認識が薄かった。輸出を止められてから大慌てで火消しに回ったと。

これじゃあ牛肉を買ってくれって言われても無理ですよね。私自身、輸入が再開されても当分アメリカ産牛肉には近づかないだろうな。