聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

問題は「器」じゃない

経営トップが意図的に不正を働こうとしたら、会社組織がフラットだろうが委員会を設置していようが、「下からのチェック」、内部でのチェックがそんな簡単に利くわけないだろうと思うのは私だけですか、そうですか。

今回の事件の全容は解明されていないが、米国のエンロンワールドコムの不正会計事件と共通するのは「下からのチェックが利かない」(ライブドア社員)こと。一握りの幹部による不正が可能な組織だった点だ。(日経新聞ライブドア虚妄の経営(1) 2006年1月30日)

平松新社長体制で発足した経営委員会のようなチェック機構をくさす気はありませんが、ホリエモンが社長だった時代にこういう組織体制を敷いていたら今回の不正が起きなかったかといえばNoでしょう。

確かに社外取締役委員会設置会社への移行などは、経営トップの暴走を牽制するための装置ではありますが、いくら経営組織という「器」を整備したところで「器」は所詮「器」でしかないわけで、オーナー社長が突っ走るのを止めるには限界があると思います。

何か不正が発覚するたびに組織形態のせいにして分かった気になってしまうのは、日経に限らず既存メディアの悪いクセですね。大体、フラットで意思決定の速い組織を持て囃していたのは当の日経自身でしょうに……。今に始まったことではないとはいえ、その無定見ぶりにはあきれてしまいます。