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お気楽金融雇われ人の見聞録

「錬金術」の大合唱(笑) - ライブドア強制捜査

昨夜から始まった東京地検ライブドア強制捜査、現時点では、ライブドアの関連会社が企業を「現金」で買収した後に、「株式交換」で買収するという虚偽の情報を公表し株価操作を狙ったという風説の流布の疑いがかかっているようです。併せて関連会社の粉飾決算の疑いも絡んでいるようです。

地検が強制捜査に踏み切ったからにはそれなりの傍証があるのでしょうが、粉飾決算はともかく「風説の流布」って立件できるんですかね?ちなみに風説の流布を禁じた証券取引法第158条はこんな条文です。ポイントは株価を吊り上げる意図があったことを立証できるかどうかというところでしょう。とりあえずヲチしたいと思います。

何人も、有価証券の募集、売出し若しくは売買その他の取引若しくは有価証券指数等先物取引等、有価証券オプション取引等、外国市場証券先物取引等若しくは有価証券店頭デリバティブ取引等のため、又は有価証券等の相場の変動を図る目的をもつて、風説を流布し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をしてはならない。(証券取引法 第百五十八条)

それにしてもマスメディアは騒ぎすぎですね、それもどの新聞も判で押したように「錬金術」「錬金術」の大合唱……。

ライブドア家宅捜索、関連会社が買収巡り虚偽発表
堀江社長が創業し、インターネット関連を軸に企業の合併・買収(M&A)で急成長してきたライブドアの不明朗な「錬金術」は、刑事事件に発展。ニッポン放送株の大量取得に端を発し、2カ月余の攻防を繰り広げた末、昨年4月に和解したフジテレビジョンとの資本・業務提携の行方や、証券・金融市場、経済界にも影響が及びそうだ。(日経新聞
ホリエモン式「錬金術」に落とし穴 ライブドア強制捜査
堀江貴文社長が率いるライブドア証券取引法違反の容疑が浮上した。メディア買収やプロ野球新規参入、衆院選出馬で話題を集め、相次ぐM&A(企業の合併・買収)で急膨張する。その相乗効果で自社の株価をつり上げ、新たな事業資金を手に入れていく「ホリエモン錬金術」。その見事な手際には投資家も永田町も一目置いてきた。だがそこには落とし穴が潜んでいたようだ。(朝日新聞
ライブドア:堀江流、錬金術にメス 企業買収の裏には
創業からわずか10年間で連結売上高784億円余、経常利益112億円余(いずれも05年7月期)の企業グループに急成長したIT(情報技術)の旗手「ライブドア」(東京都港区)。16日、家宅捜索に乗り出した東京地検特捜部は、同社が市場を駆使して行った“錬金術”の解明に乗り出した。疑惑の焦点は、堀江貴文社長(33)が主導した株式交換による企業買収にある。秘匿性の高い「投資事業組合」まで組み合わせた手法の裏に何があったのか--。(毎日新聞
錬金術師の虚実】(上)策に溺れたIT企業 ルール無視 マネーゲーム演出
「勝ち組IT(情報技術)企業」の代名詞となったライブドアの経営手法に対し、東京地検特捜部のメスが入った。株式市場を活用したM&A(企業の合併・買収)で急速に業容を拡大したその“錬金術”は、株式市場の活性化による景気回復の牽引(けんいん)役ともてはやされたが、一方で、個人投資家を巻き込んだ市場至上主義や拝金主義を蔓延(まんえん)させる一因ともなった。虚と実が交錯、ミニバブルを醸成した「錬金術師」が法の下で裸にされようとしている。(産経新聞

日経新聞までが「錬金術」を連発しているのは苦笑せざるを得ません。
M&Aを活用して企業価値を向上させるのが今どきの経営手法だったんじゃなかったんでしたっけ?日経新聞が大好きなジャック・ウェルチだってM&Aを活用してGEを急成長させたんですよね?
日経新聞の掌返しぶりもヲチしようと思います。