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野洲高校が全国初制覇-全国高校サッカー

高校サッカーは、滋賀県代表の野洲高校が自身も初優勝、滋賀県勢としても初優勝という初物づくしで優勝して終わりました。

延長戦後半の決勝点のシーンは見ていて鳥肌が立ちました。後方からのサイドチェンジに始まり、ドリブルでの中央への切れ込みとヒールパスによる相手ディフェンダーの引き付け、そこから流れたサイドからのクロス、そこへ走り込むフォワードという、ゴールまでの一連の流れはなかなかお目にかかれないすばらしい得点シーンでした。

野洲高校は、個人技主体のチームというのが巷の評判ではありましたが、決勝点のシーンに限らず、十分高いレベルで組織的なプレーを展開していたと思います。サッカー日本代表でいえば、トルシエ前監督が目指していたスタイルではなく、ジーコ監督が目指すスタイルということになるでしょう。

とこう書くと、個人技主体と組織主体が対立する概念のように見えてしまいますが、おそらくこれはチームを作っていく優先順位の違いであって、(1)まず個々のプレーヤーの技術や能力の向上を優先し、技術・能力の高いプレーヤーで組成したチームで組織としての動きを作っていくか、(2)あらかじめ組織としてのチームの動きを作っておいて、その動きを最も上手にこなすことができる技術・能力の高いプレーヤーでチームを作るか、ということなんだろうと理解しました。

どちらのアプローチもメリット・デメリットがありますがデメリットに着目すると、(1)の場合は個々人の能力のかさ上げに時間を取られてチームが機能するまでに時間がかかること(チームができてしまえばかなりの成果が見込める)、一方(2)をとる場合はチームが出来上がるのは早いものの、チームの約束事をこなすトレーニングが優先になりがちなため個々人の能力のかさ上げが限定的になる可能性があることでしょうか。

今回の野洲高校は(1)のアプローチをとって、チームが出来上がるまで成績がパッとしないという山本監督が取ったリスクが見事に全国優勝というリターンとして帰ってきたと言えると思います。