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お気楽金融雇われ人の見聞録

神童の国家認定ねぇ

大学合格の7歳児 韓国政府認定「神童」第1号に
ソウル近郊・京畿道の少年宋幽根(ソンユグン)君(7)が大学入試に合格し、来春から韓国史上最年少の大学生が誕生する。韓国政府は少年を「科学神童第一号」に指定し、国をあげてバックアップする方針だ。
(略)
韓国政府は昨年、「理工系支援特別法」を制定し、国をあげて天才育成に取り組み始めた。来春からは“金の卵”に徹底した英才教育を施す「科学神童プログラム」を開始する。
全国各地で発掘された秀才少年の「天才性」を専門家が検証。「神童」と認定された生徒に政府が専属チームを作り、全面的に支援する。対象は5歳以上。第一号は幽根君が認定される見通しだ。
「国際競争力の源は人材だ。1人の天才が1万人の国民を食べさせる時代が来る」と、科学技術省の担当者は少し極端な将来像を描いて見せた。韓国では教育熱が高く、幽根君の話題は「韓国人初のノーベル物理学賞を」との期待とともに大々的に報じられた。 (YOMIURI ON-LINE 2005年11月6日)

少し前に韓国の小学生、宋くんが飛び級で大学入試に合格したニュースが出ていたのですが、今度は韓国政府公認の「神童」として国からバックアップを受けることになったそうです。韓国らしいというか何というか…。彼がノーベル賞を取れる子供なのかどうか全く分かりませんが、こんな子供のうちから人生を決められちゃう、それも国から人生を決められちゃうのってどうなんでしょう?

韓国はスポーツの世界でも四強制度や八強制度(中学校や高校の全国大会でベスト4やベスト8に入れないと上の学校でサッカーを続けられない制度)があった(今は廃止された?)そうで、えらく早いうちから才能の選別を進める社会だなぁという印象があります。才能ある人を早く見つけて、それを伸ばしていこうという発想なのだろうと思いますが…。

日本でも当然才能の選別はいろいろな分野で行われているわけですが、国が特定の個人を選別し大々的にバックアップするというのは寡聞にして知りません。そういう意味では、ある特定の家族を除けば、日本は個々人の生き方に対して国なり社会なりが関与することが殆どない社会ですね。どちらかといえば、なるべく裾野を広げておいて、才能ある人が出てくるのを待つというイメージでしょうか。

選別の時期を早めて能力を伸ばすアプローチと、裾野を広げて高い能力を持つ人が出てくるのを待つアプローチでは、短期的には前者の方が成果が出やすいのでしょう。ただ、持続可能性ということになるとやや疑問が残りますし、そもそも個々人としてどちらが生きやすいのか?という点で私は後者の方が望ましいのではないかと思います。

あと突っ込むのも野暮ですが、10000人の国民を食べさせる1人の天才というのは、学問の天才よりはビジネスの天才なんじゃないかなぁと思ってみたり…。