聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

JR西日本と土佐くろしお鉄道のその後

JR西日本ATS-Pの設定ミス

まだ、つもりに積もった膿が出ている段階ということなのでしょうが…。

新ATSに設計ミス、速度超過でも減速せず JR西日本
JR西日本が安全対策の切り札として京阪神地区の主要路線(アーバンネットワーク)で整備している新型の自動列車停止装置(ATS―P)の計74カ所で設計ミスがあり、30カ所のカーブ・分岐器(ポイント)の手前では列車が速度超過をしてもブレーキがかからない状態になっていたことが1日、明らかになった。設計時にデータを取り違えたのが原因で、ミスは90年度以降に設置された計7路線で見つかり、本来の設定より35キロも高くなっていた個所もあった。同社は9月に国土交通省航空・鉄道事故調査委員会からの指摘でミスに気付き、急きょ改修した。1日午後に調査結果を発表する。(asahi.com 2005年11月1日)

そうは思いつつ、JR西日本が公表した調査結果「ATS-P地上子データの設定誤りについて」を見ると、設定ミスの発生原因を「関係箇所間の連携不足」「技術継承上の問題」、今後の対策を「関係箇所の役割と責任所在を明文化するなど仕組みの構築」「関係社員への教育の充実」「保安設備検討委員会(仮称)の設置」と単語列挙で済ませてしまっています。

項目としてはその通りなんですが、プレスリリースを読む側としては、5月に発表した「安全性向上計画」で謳った「社長をはじめ経営に携る者が自ら先頭に立ち、強い意志とリーダーシップをもって、全力を挙げて安全を最優先する企業風土の構築に取り組み、「安全第一」を積み重ね」ることにちゃんと繋がっているのかなと、本気度合いを測りかねてしまいます。

土佐くろしお鉄道宿毛線全線再開

特急事故から8か月、くろしお鉄道宿毛線が全線再開
高知県の第3セクター・土佐くろしお鉄道宿毛(すくも)線(中村―宿毛、23・6キロ)は1日、今年3月に特急列車が宿毛駅の駅舎に激突した事故のため不通だった最終区間(東宿毛宿毛、1・4キロ)を含む全線で、約8か月ぶりに営業を再開した。
同社は、宿毛駅手前3か所に速度チェック機能を持つ自動列車停止装置(ATS)を増設するなど、安全対策を進めてきた。(YOMIURI ON-LINE 2005年11月1日)

一応の事故対策は完了ということですが、ATSの速度チェック機能の設定は大丈夫なんですかね?

今日の東証のシステム障害といい、最近はリリース前のチェックが甘いことによるトラブル事例が多く目につく気がします。