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お気楽金融雇われ人の見聞録

堤義明氏に有罪判決

堤義明被告、懲役2年6月・執行猶予4年…東京地裁
西武鉄道株の名義偽装事件で、証券取引法違反有価証券報告書の虚偽記載、インサイダー取引)の罪に問われたコクド前会長・堤義明被告(71)の判決が27日、東京地裁であり、栃木力裁判長は堤被告に懲役2年6月、執行猶予4年、罰金500万円(求刑・懲役3年、罰金500万円)を言い渡した。(YOMIURI ON-LINE 2005年10月27日)

西武鉄道の堤前会長の有罪が確定したようです(堤氏は控訴しないようなので)。一方で、西武鉄道グループの再建は着々と進んでおり、先日コクドの増資先が投資ファンドサーベラスに決まったという記事も出ていました。

コクド増資の引き受け先決定、米サーベラスなど
経営再建中の西武鉄道グループは18日、グループの中核会社コクドの最大1600億円の増資の中核的な引受先として、米投資ファンドサーベラスと国内投資ファンド日興プリンシパル・インベストメンツを選んだと正式に発表した。
出資比率は未定だが、サーベラスがコクドの筆頭株主、日興プリンシパルが第2位株主となる見通しだ。そのうえで、年度内に設立するグループの純粋持ち株会社の株式とコクドの株式を交換する。今回の増資によって、コクドの大株主の堤義明前会長の保有割合は大幅に低下する見通しで、堤氏の経営への影響力を排除する狙いもある。(YOMIURI ON-LINE 2005年10月19日)

今回コクドの増資引き受け先が決まったことで、堤氏が父康次郎氏から引き継いだ西武鉄道グループは名実ともに堤氏の手を離れます。有価証券報告書の虚偽報告やインサイダー取引は重大な法律違反ですから同情の余地はありませんが、「カリスマ経営者も因果なものだ」でも書いたとおり、堤氏は西武鉄道グループから切り捨てられたことになります。親子二代で築いた西武鉄道グループを追われる様は、源頼朝、頼家、実朝の源氏将軍が北条氏と御家人集団から実権を奪われた構図と、なんとなく重なって見えます。