聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

これはバブル経済のタネが撒かれているということだろうか?

地銀や信金、中小向け無担保融資を拡大・昨年度73%増
地方銀行、信用金庫などの中小企業向け無担保融資が急拡大している。2004年度の融資額は1兆9000億円と、前年度に比べ73%増加した。不良債権処理にメドをつけた大手銀行が地方で融資攻勢を強めているのに対抗して、地域金融機関も「無担保型」で応戦、地方での貸し出し競争も徐々に広がってきた。(NIKKEI NET 2005年8月2日)
中小企業向け無担保融資といえば、あの日本振興銀行新銀行東京もメインターゲットとしている層で、メガバンクも貸出残高増強の目玉と位置づけているマーケット。

本石町日記さんの雇用と貸出の最前線=超ミクロの証言でも個人事業主の方による「某銀行より(第3者の)無担保・無保証のビジネスローンのオファーあり。○千万円を○%で借りる予定だったが、契約直前に銀行から『金利を○%下げるから、倍借りてくれ』と言われて驚いた。」というコメントが紹介されているように、中小企業向け無担保融資は、すでに過当競争フェーズに入っていると考えてよさそうです。

一方、今日付の日経新聞の社説では、東京での路線化上昇の背景に金融機関が融資先を求めて不動産市場向けの融資を活発化させていると説明しています。
東京では、業績回復やオフィス街の再開発などを背景に、企業の都心回帰や転居の需要が増えている。個人も雇用情勢の改善や金利の低さから、以前より安心してローンを組める情勢となり、東京など大都市部でのマンション需要も高まっている。それに対し、不良債権問題が峠を越えた金融機関は貸出先を求め、積極的に融資している。また、ゼロ金利下で預金の魅力が薄れたため、不動産投資信託(REIT)を通じて不動産市場に投資家の資金が流れ込み、地価を押し上げている。
日銀は消費者物価が小幅な下落を続けていることを理由に金融緩和を続ける姿勢を崩していませんが、資金はだぶつき気味、金融機関は貸出の過当競争を展開、そのカネが不動産市場に流入という状況は、なんとなく15年前のバブル経済前夜の状況に似ているような気がします。景気も踊り場を脱却しつつあるそうで、上向きのようですし。

不動産市場や株式市場にカネが流れ込んで、経済が活発になることは悪いことではありませんし、「好景気」の段階で留まってくれればハッピーです。ただ、個人的には、金融機関が国債投資という形で半ば塩漬けにしてきたカネがいっせいに動き出したときに、日銀がちゃんとコントロールできるのか甚だ心配なわけですが…。

今のところバブル経済の再来を警戒する声はあまり聞こえてこないような気がします。バブルが再発しないという根拠が何かあるのでしょうか?