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衆議院議長が総理大臣にあっさりスルーされた件

河野洋平衆院議長は1日、議長公邸で海部、宮沢、村山、橋本、森の歴代首相5人と会談し、小泉首相靖国神社参拝などでこじれた日中関係について意見交換した。河野氏は、日中関係の悪化の原因の一つに首相の靖国参拝があるとの考えを表明。「首相の靖国参拝には慎重にも慎重を重ねるべきだ」との認識で一致した。立法府の長がこうした形で行政府の長の経験者を集め、現職首相の行動に注文をつけるのは極めて異例なことだ。(asahi.com 2005年6月1日)
目が点になった。親中派の河野議長としては、中国を刺激し続ける小泉首相の「暴走」に歯止めをかけたかったのでしょうが、悲しいことに小泉首相にはスルーされてしまいました。衆議院議長の権威は丸つぶれですね。

小泉首相靖国参拝中止を求める決議」みたいなものを衆議院として可決して圧力をかけるというなら理解できなくもありませんが、議長が単独で議会の頭越しに圧力をかけようなんてあり得ないでしょう。一応、立法府の長なのですから、そのあたりの手続は守ってもらいたいものです。

河野議長は、現職議長ではなく外相経験者の一人として個人的に意見を聞いたということにしたいようですが、じゃあどうして議長公邸で会談したりしたんでしょうか?
会合に出席したのは、森氏のほか、海部、宮沢、村山、橋本の各元首相。ただ、中曽根元首相は、河野議長に、「立法府の長が、行政府の長の経験者を呼びつけて意見を聞くことはあり得ない」と述べ、出席を断った。(YOMIURI ON-LINE 2005年6月1日)
呼ばれてのこのこ出かけていく方も出かけていく方で、何を考えているのか理解に苦しみます。中曽根元首相の対応が全くもって正しいと思います。

個人的に気になるのは、一般の衆議院議員の皆さんの反応。誰も何も言っていないようですが、議長の独走で自分たちがないがしろにされたことについてどう考えているんでしょう。
河野議長は衆議院の中でもスルーされちゃっているということ?