聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

ブタの木になるブタの実−ぶたのたね

ぶたのたね

ぶたのたね

とても足の遅いオオカミがいました。


このオオカミ、ブタよりも走るのが遅いので、ブタたちにいつも馬鹿にされています。ブタも捕まえられないので、まともな食事にありつけるわけもなく、これまで野菜と木の実しか食べたことがないというかわいそうなオオカミなのです。


オオカミは一度でいいからブタの丸焼きを食べてみたいと思い、キツネ博士に足の速くなる薬がないか相談するのですが、キツネ博士がくれたのは「ブタのたね」。ブタのたねをまくと、ブタの木が生えて、ブタの実がなるそうです。


オオカミが半信半疑でブタのたねをまくと、キツネ博士の言うとおり、ブタの木が生えて、ブタの実がなりました。オオカミが念願のブタの丸焼きをしようと思ったその時に、「あること」のためにブタの実は全部落ちてしまうのです。オオカミはブタの丸焼きにありつくことができるでしょうか…。


「ぶたのたね」は、木にブタがなることが息子たちに大ウケだったお話で、大人も読んで楽しい本です。「ぶたのたね」というタイトルや木にブタがなるという話の展開もさることながら、この本の一番の魅力はそのとぼけた「絵」にあると思います。


ブタの実が木にたわわになっているシーンや、ブタの実が木から落ちてくるシーンは、妙にシュールな味があります。特にブタの実が落ちるシーンには、まるでスピード感というものがないため、独特の雰囲気を感じることができます。漫画を読みなれたお父さんの目には、「ぶたのたね」の絵はとても新鮮に映ると思いますので、ぜひ味わってみてもらいたいと思います。