聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

カリスマ経営者も因果なものだ

コクドの堤前会長が証券取引法違反の容疑で逮捕された。

堤前会長が逮捕されたことで、マスコミ的には堤王国は崩壊したということにされている。でもこれで西武鉄道グループ(コクドグループでもいいが)が崩壊するかというとそんなことは無くて、経営改革委員会の再編案に従って、新しい西武鉄道グループとして生まれ変わるのだろう。

だから堤王国の崩壊という表現は正しくなくて、西武鉄道グループが自らの生存のためにオーナーである堤前会長を切り捨てたというのが実際のところなのだと思う。その証拠に、株主名義の虚偽報告が発覚した当初は堤氏の関与を否定していたグループ幹部も、東証の調査、検察の捜査が進むとあっさりと組織的関与を認めてしまっている。

これって明らかに堤氏をかばって嘘をつきとおすことより、西武鉄道グループという組織の生存を優先して堤氏を切り捨てたということだと思う。堤氏の実弟、康弘氏が経営改革委員会のグループ再編案に反対しているが、これもささやかな抵抗であって、成功するとはとても思えない。

堤氏は紛れも無くカリスマ経営者の一人に数えられるべき人物だと思う。そのカリスマ経営者にしてから、失敗した時点で自ら作った組織に切り捨てられてしまう。

まぁ、堤氏は暴君だというエピソードには事欠かない人物なので、自業自得といえばそれまでなのかもしれないが、カリスマ経営者も因果なものだなと思う。


[関連投稿]
ニッポン放送が終ったと思ったら西武鉄道か(2005年3月25日)
西武鉄道グループ再編案(2005年1月15日)