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お気楽金融雇われ人の見聞録

銀行の保険窓販解禁は延期がほぼ確定

銀行などが保険商品を販売する「保険窓販」を巡る規制緩和が大幅に遅れそうだ。販売できる保険商品の種類を広げる追加解禁が、予定していた今春から10月以降にずれ込む方向。解禁される商品も医療・がん保険など成長分野の商品は見送られ、解禁は小幅にとどまる見通し。(NIKKEI NET 2005年2月28日)
結局、生保業界が金融庁を押し切って銀行窓口での保険販売の解禁は延期されそうだ。

以前のエントリー(参照)で、生保業界が窓販解禁に反対しているはこれまで築いた販売網が維持できなくなることを避けたいのではないかと書いたが、Inakky氏の2月27日のエントリー(営業職員体制は否定されるのか?)によれば、最盛期40万人ほどいた営業職員(いわゆる生保のおばちゃん)は、現在27万人ほどまで減っているようだ。

ただ営業業職員の数が減ってきているとはいえ、Inakky氏がエントリー中で述べておられるように、営業職員による営業体制が全く不要になるとは私も思わない。「世の人全てが、インターネットで比較検討した上、通販で保険に入る時代にはならないのです。」というコメントはその通りだと思う。

一方でそれだけの販売網を維持するためのコストは馬鹿にならないはずで、業界としては超低金利による運用難などの要因もあり、営業職員のコストを吸収しきれないようになっているというのが実際のところではないか。

販売網を縮小することが唯一の解決策だとは思わないが、生命保険という金融商品は、日本市場では既に飽和した商品なので、コスト競争力というのは馬鹿にできない問題だと思う。販売チャネルをアウトソースするのコスト削減の手段としてはありだと思うのだが・・・。


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