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ビンラディンがザルカウィに活動範囲拡大を要請

ロイター通信などは28日、国際テロ組織アル・カーイダの最高指導者ウサマ・ビンラーディンがヨルダン人テロリスト、アブムサブ・ザルカウィ容疑者に対し、米本土をテロ攻撃の標的にすることを考慮するよう求めたと報じた。米当局者が両者間の通信を傍受したもので、「きわめて最近、起きたこと」という。 報道によると、いつ、どこを、どうやって攻撃するかの情報は含まれていない。国土安全省は25日、各州の治安当局にこの情報を伝えたが、現時点では具体性を欠くためテロ警戒レベルの引き上げは見送っている。 (YOMIURI ON-LINE 2005年3月1日)
えらく漠然とした情報が唐突に出てきたものだ。読売新聞はビンラディンザルカウィアメリカ本土へのテロを検討するよう要請したと書いているが、アメリカのメディアはもっと控えめでイラク外での活動を要請したとしか書いていない。大体、今のザルカウィアメリカ本土へのテロを行う余力があるとは考えにくい。情報に具体性がないので、テロ警戒レベルの引上げは見送られているということだが当然だろう。

こんな漠然とした情報を流すのは何か意図があるんだろうか?

ぱっと思いつくのは、アメリカがザルカウィがイランに逃げ込んでいることを掴んだことだろうか。イランは核廃棄に関して英独仏と協議しているものの、のらりくらりと言質を与えていないようだし、2月末にロシアから核燃料を供給してもらう契約をアメリカの反対を押し切って結んでいる(反対を押し切ったのはロシアだが)。今回のニュースに続いて、ザルカウィがイランに逃げ込んだという情報を流し、それを口実にイランに対する圧力を強め、併せてロシアを牽制する狙いもあるのかもしれない。きな臭いことになりそうな予感。