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お気楽金融雇われ人の見聞録

今さら金融「代理店」時代?

相次ぐ「金融代理店」の規制緩和で銀行、証券、保険、信託が互いの窓口で扱うことのできる商品が大幅に増える。コンビニエンスストアやスーパーも金融商品の販売網に加わり、金融商品の販路は一気に広がる見通し。金融機関や関係業界の戦略、利用者にとってのメリットは――。(2005年2月7日 NIKKEI NET)
2月2日に発表された金融審議会金融分科会第二部会の銀行代理店制度見直しの論点整理(案)を受けての記事。代理店制度の拡大は金融ワンストップショッピングの実現が利用者の利便性向上につながるという理屈で論じられているが、何と言うかものすごく今さら感の漂う施策と記事。

インターネットバンキングやネット証券などのネット店舗、投資商品や保険商品についての横断比較・評価サイトがネット上にあることで、既に金融に関するワンストップショッピングは実現しているし、実際の店舗でも相乗り店舗形態をとれば代理店の形を取らないでもワンストップショッピングは十分実現できているのに、そういうことは無視ですか。

それに複数業態の代理店になったところで、あまり顧客利便性の向上に資するとは思えない。大口取引先を担当するファイナンシャル・プランナーならともかく、マス取引先を担当するいわゆる窓口担当者は一人で全ての金融商品を理解しセールスできるとは限らない。そうなると結局窓口を分けざるを得なくなり、利用者は「ワンストップ」ではなく「たらい回し」されたという感覚を持つことになるのではないか?

それにしても、銀行代理店なんか大々的に解禁してどうする気だろう?金融庁の単なるアリバイ作り?特定郵便局の受け皿?


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