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お気楽金融雇われ人の見聞録

木村剛氏、日本振興銀行社長に就任

木村剛氏がついに日本振興銀行の社長に就任する。木村氏は、社長就任にあわせビジネス誌を出版する会社の社長と経営コンサルタント会社KFiの社長、金融庁のアドバイザリー・チームメンバーを辞するなど背水の陣をしくようだ(尤も、これは銀行法が定める銀行の常務に従事する取締役が他の会社の常務に従事してはならないというルールに従ったものではあるが)。木村氏は日本振興銀行の大株主でもあるので、同行は名実ともに木村剛商店となった。
日本振興銀、木村剛氏の社長就任を発表(NIKKEI NET 2005年1月4日)

木村氏は就任会見で「(1月中旬にも開く)臨時株主総会でトラブルに決着を付けたうえで、(中小企業向け無担保貸し出しという)ビジネスモデルが成立することを数字で示す」と話したそうだが、日本振興銀行がターゲットとする中小企業向け無担保貸出ビジネスが「単独で」成り立つかどうかについて、個人的には懐疑的だ(関連投稿参照)。銀行としての収益を確保するためには、中小企業向け無担保貸出以外にも何か収益の柱を作る必要があると思う。

日本振興銀行の設立に深く関与していながら、これまで「株主の代理人」と称して、表向きは積極的な関与をしていないように振舞ってきた木村氏が、いよいよ本格的に銀行経営に関与するということなので木村剛商店の代表取締役兼大株主としてしっかりと責任を全うしてもらいたいと思う。


[関連投稿]
日本振興銀行の決算を検証してみた(その2)(2005年06月09日)
日本振興銀行の決算を検証してみた(その1)(2005年06月08日)
日本振興銀行の苦境(2005年12月5日)