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お気楽金融雇われ人の見聞録

中日、土・日の主催ゲームをデーゲーム化

中日ドラゴンズは、土曜日、日曜日の主催ゲームをデーゲームにする方向だそうだ。視聴率低迷のあおりでゴールデンタイムの放送枠が取れなくなったことが原因だとか。
中日、土・日の本拠地試合はデーゲーム(nikkansports.com 2005年1月4日)

このニュースの方向が本決まりだとすれば、娯楽としてのプロ野球観戦の凋落振りを見せつけられたようで、かなり切ないニュースではある。まぁ、日本テレビが視聴率三冠王を逃した原因が巨人戦の視聴率低迷だなどといわれる時代だということを考えれば、ある意味仕方のないことかもしれないし、ファンにしてみれば、真夏はともかく、春先の肌寒い時期からナイターばかり開催されるより、暖かい昼間にゲームをしてくれた方が球場に足を運びやすいかもしれない。

それより驚いたのは、中日の昨年の収支が10億円近い赤字だったという点。中日といえば、東海三県のプロ野球人気を半ば独占してきた人気球団で結構な観客動員を誇っていたはずだが、それでも赤字とはどうなっているのか?

中日ドラゴンズの公式ページを見ても球団(株式会社中日ドラゴンズ)の決算状況は載っていないようなので全くの想像だが、収益圧迫の要因の一つに選手の年俸があることは間違いない。日本プロ野球選手会年俸調査によれば、2004年シーズンの中日の支配下選手64名の年俸合計は28億円弱で12球団中3番目に大きい額となっている(1位は巨人で約40億円、2位は横浜で28億円強)。中日の場合、このほかにも作ったばかりのナゴヤドームの使用料が収益を圧迫しているはずだから、年俸だけが悪者だとは思わないし、年俸を引き下げるべしなどと申し上げる気も無い。

ただ、娯楽産業としてのプロ野球業界を考えた場合に、選手の年俸を支える土台であるはずの放映権収入(テレビ視聴者数)や入場料収入(観客動員数)のパイが縮みつつある、すなわちファン層が縮みつつあることは事実で、これは業界全体で危機意識を共有しつつ解決策を考えなければならない問題だろう(このあたりに関しては選手会の問題意識もどこにあるのか今ひとつわからない)。少なくとも、楽天ソフトバンクのように球団のオーナーが新規参入し12球団を維持すれば、またオーナーのポケットマネーで高額年俸の選手を呼び寄せれば解決するような問題では全く無いと思う。