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お気楽金融雇われ人の見聞録

日立、業務用パソコン全廃へ

日立製作所グループでは、業務で使用するパソコン30万台を全廃して、情報漏洩防止型のネットワーク端末に切り替える。新型端末には、ハードディスクドライブをつけず、OSやアプリケーション、データをすべてサーバーで管理することにより、端末の紛失・盗難による情報漏洩を防ぐ狙いがあるとのこと。
日立、社内業務でパソコン利用全廃・専用端末で情報漏えい防止(NIKKEI NET 2005年1月3日)

狙いはわからなくも無いが、新型端末を導入することのメリットが今ひとつわからない。

これまで発生した情報漏洩事件は、サーバー上に保存された機密情報に対する内部者のアクセスが原因で発生しているケースが多く、PCそのものが盗まれたことが直接の原因となっている事例は少ないように思う。

そうだとすれば情報漏洩防止の対応としては、サーバー上の機密情報へのアクセスをどう管理するかという点をまず考えることが必要なはずだが、これには日立が考えているようなハード面の対応のほか、ハード構成は変更せず、ネットワーク上に監視ソフトを常駐させるなどソフト面で対応することも可能であろう。

ハード面の対応をとるかソフト面の対応をとるかは、企業の規模やコストなどによりケース・バイ・ケースだが、個人的にはOSやアプリケーションまでサーバーで提供すると、よほどサーバーの数や構成を気をつけない限り、サーバーに負荷がかかりすぎてパフォーマンスの低下を招いてしまうのではないかと思うのだが…。

今回のニュースについては、泥酔論説委員氏が1月3日付の日記で指摘されている通り、日立による新ビジネスモデル構築の一環と考えるのが妥当なのだろう。


[関連登校]
キーロガー名誉回復のチャンス?(2005年2月15日)