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お気楽金融雇われ人の見聞録

[感想]書道ガールズ!!

「書道ガールズ!!私たちの甲子園」 [DVD] 先週は火曜日からサンフランシスコとロサンゼルスに出張だったのだが、帰りの飛行機で遅ればせながら「書道ガールズ」を見た。

ひとことで言えば面白かった。多くの登場人物がそれぞれの背景を抱え、協力したり、反発したりしながら、最後には一つのゴールに向けて成長していくという話はベタベタなんだけど好き。書道パフォーマンス甲子園の最後のシーン、主役の里子(成海璃子)が大きな筆を抱えて、力強く揮毫する姿は素晴らしい。感動した!!

……なんだけど、2時間弱であれだけの話をするにははいかにも時間が足りなかった感じ。せっかく用意した困難を克服していくくだりが、時間の制約で都合よく見えちゃうのが実にもったいない。

たとえば、書道パフォーマンスをやろうと考えついたキヨミの扱いが、ひど過ぎないか?ということとか。

里子が、部活を離れてしまっている親友でありライバルでもある(んだよね?)ミオのところへ押しかけていって「戻ってきて!!」というのを受けて、逡巡の末ミオが戻ってくるとう場面はこの映画の一つのクライマックス。とてもいい場面だったんだが、キヨミも呼び戻してほしかったな。失敗に終わったとはいえ、みんなで力を合わせた最初のパフォーマンスのメンバーの一人できっかけを作った子でしょ?

そのキヨミがまるで忘れられて、ミオを呼び戻すことにメンバーの総力をつぎ込むあたり、「三年生が揃えば、いいのかな?」と思ってしまった。ま、それはそれで高校生としてはアリなんだが……。

それにしてもキヨミが引っ越してしまったのは何故?店を閉じたから、稼ぎを求めて…ということなんだろうけど、キヨミ以外に同じ境遇の子が描かれていないので、どうしても違和感を感じる。まさかみんなに墨をかけたので、村八分になっちゃったとか?

高校生の部活モノというくらいしか接点がないので同列に比べるのはアレだが、登場人物の描写という点では「けいおん!」の方が丁寧にやっている印象。とはいえ、一期と二期で15時間近くかけて人物描写した「けいおん!」と同じことを、「書道ガールズ」が2時間でやるのは無いものねだりだけどね。

この手の群像劇を「きちんと」描ききるためには、ある程度の「長さ」が必要ということなんだなぁ。話もキャストもよかったので、なおさらもったいなかった。