学校の「におい」 by 母 - 聞いた、見た、読んだ。

「合同説明会（何とかフェア）の利用 by 母」の続きです。

父がデータを集め検討した学校へ母は指令を受け出動しました。学校ごとの説明会です。
Nの通った塾では、学校にお願いをしてその塾生の保護者のみ参加できる説明会をひらいてもらえました。塾生だけなので当然人数は少なく、ゆっくりと見学などできました。
これは、初心者の母にとってありがたかったです。学校が行う説明会も行きましたが、本当にたくさんの方がいて、すっかり萎縮してしまい、きょろきょろ見て回るのが精一杯。最後に先生に質問しようと思ってもわっと数人見えて、また次男が学校から帰ってくる時間も気になり慌てて帰ることも多かったです。

行ってみると衝撃的なことがわかりました。
受付で何気なく出席者の名簿に目が行くと、2、3年生の保護者の方もきているのです。2、3年って次男Mと同級生でしょうか…。当然、塾生の妹弟とおぼしきベビーカーの小さな子を連れて参加という方も数人いました。
上位校になればなるほどこういう傾向が見られたような気まします。6年になり父に言われ渋々やってきた母（いろいろダメージを受けていてボロボロの状態だったので、本当は引きこもってしまいたい、受験生の母がいっぱいいるところなどにいたくない気持ちでした）となんと違うことか。
Nの同級生で2人目の受験の母の話によれば、3年前のお兄さんの時は、このようなことがなかったようです。しかし、このママのお言葉は、「うーん数年後って学校も本人も変わっちゃうよ」でした。
確かにそうかも、6年のこの時期で良いんだと勝手に1人母はうなずいていました。

説明会では母は「におい」をかいでおりました。
雰囲気というか、母としての勘というか、Nにとって良いなあとか、ここは気をつけないとなあとかを本当に「感じる」のです。
母は、父のようにデータを分析したり、学習内容を検討したり難しいことはわかりません。でも、この感覚で見るというのは間違ってないような気がします。赤ん坊の頃からのNの性格や成長過程を一番身近で見ていたので、感じることができると思います。
しかし通うのはN。そしてNは男ですのでいずれは父に近い状態になると思うので未来を父が予想して、方向性を決めて行きました。私が良いと思った学校で、父とNが嫌だと言ったところもありますが、受験校は父も書いていたとおり、3人の意見が合ったところになりました。

印象的だったのは、Nの第2志望になった学校でした。
この学校も男子校でしたので男の先生が母達を誘導し校内を見せてくださいました。そこで、中2のクラスを見せて頂いたとき、なんと扉を開けた真ん前にサッカー部とおぼしき男の子が爆睡中でした。
授業中…。母達は目が点になっていると、その先生は、「かわいいでしょう～、部活で疲れたのか、寝ちゃってますね」とにこにこ愛おしそうに言い出したのです。
へっ？て皆先生をみるとにこにこそっと扉を閉めてました。
また、中1のクラスを覗くと生徒が一斉に「何々先生だあ」と笑顔で先生を見てざわざわ。
そこでもまたその先生は、母達そっちのけで「みんな～ちゃんとやってる～」というような感じでふれあってました。「はい！こっち向く！」と一番厳しいのは黒板の前の女の先生でした。
他の母達はどう思われたかわかりませんが、あ、この学校は良い学校だと感じました。帰り道、心がぽっと温かくなったような気がしました。
Nも父もその後この学校を見学させて頂いて同じように感じたそうです。ちなみにこちらの学校、合格通知を頂くとき、校長先生から直接読み上げていただき、温かいお言葉もいただいて親子共に感動しました。

そして、第一希望で、Nが春からお世話になる学校はどんなにおいがしたかというと…、「良い感じにアバウト」な「におい」でした。
やはり塾主催の学校説明会の時ですが、塾から連絡が行っているので参加者の名簿に名前があるはずなのに、なんとなかったのです。
塾の手違いか、何かはわかりませんが、他の学校ではこういったことはなかったのですが、びっくりしていると、先生は全く動じることもなく「あ、ではここに書いておいてください」でした。
えーっとそれでいいの？！
母は手書きでNの名前を書くことになりました。

また、この説明会は、平日であったのになぜか父の姿が多くみられ印象的でした。正直いうと名簿の一件で母は気持ちが萎えてしまい（この頃いろんな意味でピリピリしていたのでちょっとしたことでダメージ受けてました）、どうだったと聞かれ、うーん、なんと言うかと鼻がきかなかったよ～と言っていた学校でした。
ただ父の出席多い学校だった、施設は抜群によいし、説明してくださった先生も親切でよさげだったとだけ伝えた学校でした。
その後の学校主催の説明会で、父子は何か感じたようです。特にNは心にスコーンと何かが入ったようです。
その後、塾のK先生にそこは最近お父さん達が注目している学校と聞きなるほどと思いました。
受験当日も他の学校よりお父さんの付き添いが多かったような気がします。女の母でなく、男の父、息子には心にくる何かがあったのかもしれません。

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