しょうぼうじどうしゃじぷた
以前のエントリーでスモールさんの「ちいさいしょうぼうじどうしゃ」を取り上げましたが、日本の消防車の絵本といえばこの「しょうぼうじどうしゃじぷた(こどものとも絵本)」でしょう。
古いジープを改造したちびっ子消防車のじぷたは働き者ですが、はしご車ののっぽ君やポンプ車のぱんぷくん、救急車のいちもくさんの陰に隠れて、あまり目立ちません。町の子供たちの人気ものっぽ君やぱんぷくん、いちもくさんの方に集まり、じぷたは見向きもしてもらえません。
じぷたはそれでもまじめに働きますが、体の小さな自分を嫌になりかけていたとき、隣村で山小屋が火事になりました。山小屋までの道は狭く、図体の大きなはしご車やポンプ車は役に立ちません。身軽なじぷたの出番です。
じぷたのおかげで山小屋の火事は消し止められます。新聞ではじぷたの活躍が大々的に報じられ、一躍子供たちの人気者になりました。
山小屋の火事は小さなじぷたでないと消すことができなかったというあたり、真面目にがんばっていればいつか活躍できるチャンスが回ってくるんだとか、人には得意と苦手があるので、得意な能力を伸ばして得意なフィールドで勝負しようとか、いろいろと前向きな教訓を引き出すことができるお話だと思います。
そうは言ってもそのあたりが理解できるようになるのは、子供が自分ひとりで読むことができるようになってからなのでしょう。何度も繰り返しじぷたを読んで、いつか自分の力で何か読み取れるようになってもらいたいなと思います。
まぁ、それはそれとしてじぷたの話で一番気になるのは、お話の中に出てくる子供たち。「ちょっとミーハーすぎるだろ!」と激しくツッコミを入れたくなるのは私だけではないはずです。