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お気楽金融雇われ人の見聞録

桑田投手を巡るドタバタ

巨人・桑田が会見、現役続行に強い意欲
今季限りの退団を示唆するかのような文面を球団のホームページに掲載した巨人の桑田真澄投手(38)が24日、川崎市ジャイアンツ球場で行われたイースタン・リーグの湘南戦に先発後、会見して真意を説明したうえで、現役続行への強い意欲を示した。……
桑田は右足首ねんざが完治した6月以降も一軍昇格がなかったことで、「チームの戦力ではないと、自分で判断した」と言う。……
桑田の現役へのこだわりは強い。「仮に、来季も巨人でプレーできる機会が与えられたら」と聞かれると、「それは喜んでそうさせてもらう」と前置きしながらも、「ずっと3か月も4か月も(一軍昇格を)待って、声がかからなかった訳だから、戦力に入っていないということ」と再度、自己分析。「まだ元気だし、必要とされるところへ行くべきだと思う。それがプロ野球選手」と、移籍の可能性も示した。
一方、清武英利球団代表は、「大選手の決断を尊重しないといけないし、聞かないといけないが、まだ直接、話を聞いていない。時が来たらゆっくり話を聞きたい」と話した。(YOMIURI ON-LINE 2006年9月24日)

巨人の球団としての人事政策(といって良いのかわかりませんが)の稚拙さが良く現れたトラブルですね。本当に「大選手」だと思っているのであれば、戦力外として引導を渡すにせよ、もう少し現役でがんばってもらうにせよ、球団の方針や監督の考え方などを伝える努力をすべきでしょう。

球団代表としては「時が来たらゆっくり話を聞きたい」で十分敬意を表しているつもりかもしれませんが、2年近く飼い殺しに近い状態しておいて「時が来たら」では、とても「大選手」として認識しているとは思えません。まして、「順番が違う」などと言って右往左往いる原監督は、吉村二軍監督ともども、中間管理職失格の烙印を押されても文句の言えないポカだと思います。

桑田投手について言えば、「自分を必要とする所へ行く」というのは全くその通りだろうと思います。民間企業でいうところの社内公募みたいなものですね。不調といえどもジャイアンツの選手層は、他球団比厚いわけですから、結果はさておき桑田投手を必要とする球団はあるでしょうから、二軍でくすぶっているくらいなら新天地を目指そうというのは妥当な考え方だと思います。それでも結果を出せなければ、それはその時改めて考えればいいわけです。

でもこの話、以前の私であれば「なんだか潔くないな、結果が出ないから二軍にいるんだから、引退したらいいのに」くらい言いそうな話ではあります。最近感じ方がちょっと変わったなと自覚したので取り上げてみました。現役にこだわる姿勢に共感するというのは、自分が年をとったということなんですかね?まぁ「成熟した」ということにしておこうと思いますが。

球団の話に戻ると、このあたりの人事政策の不手際は結構根が深そうですね。こういうコミュニケーションの小さな齟齬の累積が、今年のジャイアンツのあっという間の息切れに繋がったんじゃないでしょうかね。ドラゴンズファンの私としては、ジャイアンツが低迷しようがどうでもいいのですが(笑)、ジャイアンツファンになりたての息子が、ジャイアンツの勝ち負けに一喜一憂する姿を見る父としては、何とか立て直してもらいたいなと願わずにはいられません。