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お気楽金融雇われ人の見聞録

安倍さんが自民党総裁就任

シナリオどおりというか予定通りというか、安倍さんが自民党総裁になりました。退任前から回顧ドラマが作られてしまう小泉さんの後を襲うのは大変でしょうが、がんばってもらいたいですね。個人的には、安倍さんという人は「剛速球を投げるけど、直球一本やりのピッチャー」というイメージなので、つまらないことで足をすくわれないよう祈るのみです。

今回の総裁選は、普段の選挙以上にメディアの独り相撲、マッチポンプ振りが目に付いた選挙でしたね。競って世論調査結果を撒き散らし、勝手に「得票率7割」などと予想しておいて、7割に届かなかったら、やれ一人勝ちを避けるバランス感覚が働いたとか、やれ反主流派への人事の配慮が必要とか、安直な報道振りが如実に現れていていい感じです。中でも傑作なのは朝日新聞の社説ですかね、マッチポンプ芸といっても良いくらいの出来映えでした。

自民党の人材枯渇
この1年、小泉氏の退陣は既定路線だったのに、結局、安倍氏を脅かすライバルは現れなかった。それどころか、政策も発表しない段階から党内の大勢は安倍支持へ雪崩を打った。自民党の人材枯渇と活力のなさを思わずにはいられない。
自民党総裁の選ばれ方がさま変わりしたのだ。政策や経験よりも、次の選挙に勝てる「顔」かどうかが最優先される。昨年の総選挙で見せた小泉人気の破壊力はそれほど大きかった。
議院内閣制の下での間接的な首相選びは、国民の意思が直接反映されないもどかしさの半面、「人気投票的な要素に流されない」利点があると言われてきた。もはやそれが通用しない時代に入ったということかもしれない。(asahi.com 2006年9月21日)

今回の総裁選で安倍さんを脅かすライバルが現れなかったことをもって、自民党の人材が枯渇していると評価していますが、党の分裂を恐れて党首選を無投票にした挙句、党員に「詫び状」を出したどこかの党よりよほどましでしょう。それに総裁選が「選挙に勝てる顔」かどうかが最優先されるようになったとしていますが、そんなのどこの党でも同じです。民主党が小沢さんを続投させたのも、社民党がおたかさんを引っ張り出すとか出さないとか言われている(笑)のも、結局は「選挙に勝てる顔」だからでしょう。それに「人気投票的」ではなかった時代の総裁選は「密室の総裁選び」「出来レース」として批判されていたんじゃなかったんでしたっけ?